ネットワーク分析手法を活用した中小野菜産地連携のための分析枠組

ネットワーク分析手法を活用した中小野菜産地連携のための分析枠組

タイトルネットワーク分析手法を活用した中小野菜産地連携のための分析枠組
要約野菜産地の出荷ネットワークの変化を分析するための枠組として、産地と卸売市場を結ぶ出荷ダイアドを出荷規模・地理的分布・参入/退出の3次元から分類・整理する方法を提唱する。この枠組を活用した分析から、中小産地の連携方策として、分散型と単一市場型の2つを提示する。
担当機関中国農業試験場 総合研究部 総合研究第3チーム
連絡先0849-23-4100
区分(部会名)中国農業
分類研究
背景・ねらい 野菜の中小産地間の連携方策は古くから提唱されているが、今後はより広域(県レベル)かつ複数市場を念頭に置いた方策の提示が求められる。そのため、ネットワーク分析手法を活用してより精緻な出荷実態の把握と連携方策の構築を図るための分析枠組を提供する。
成果の内容・特徴
  1. 産地(JA部会単位)から卸売市場への出荷をダイアド(二点間)関係ととらえ、そのネットワークを3次元で整理し、対象品目の出荷ネットワークの変化を分析する。
    1) ダイアド数の出荷規模別変化(図1):平尾(1994)を参考に閾値を数段階設定し、それを満たすダイアド数の変化から、産地を単位とした出荷規模の変化を把握できる。
    2)出荷ネットワークの地理的分布(図2):閾値等の一定基準を満たす出荷ダイアドを図示し、その地理的構造の変化を把握する。
    3)ダイアドの質的変化(表1):ダイアドは産地の参入・退出状況から5類型に区分できる。各類型の該当数と代表値から、地域内の産地の行動・競合パターンを把握できる。
  2. 上記のネットワーク分析と産地の調査結果から、3つの連携方策パターンを提唱する。
    1)分散型:過当競争を避けるため市場を探索し、分散的に出荷し、やがて有利な取引先に集約する。品質面と定量出荷で価格維持をねらう。中規模産地による緩やかな連携。
    2)単一市場・季節型:複数産地で出荷時期を分担し、同一市場に継続・大量出荷する。
    3)単一市場・長期出荷型:核となる中産地と周辺の小産地が連携し、一市場に同時に長期出荷して占有率と出荷の継続性を確保。技術指導により品質の均一化に努める。
  3. 上記成果を活用した分析の結果、α町周辺では、表2に例示したとおり、単一市場・長期出荷型の産地間連携が望ましいと判断される。すなわち、α町は地域の核となる中産地として位置づく。そのため市場評価の高い夏期の安定出荷を実現するため、周辺町村の零細産地にも働きかけ、品質向上と同時期の連携出荷を目指す。
成果の活用面・留意点
    県レベルの中小産地再編・出荷計画の立案に活用できる。また、単協レベルでは、連携可能な産地を探索するための手法・アイデアとして活用できる。

具体的データ
図1
図2
表1
表2
予算区分実用化促進(地域総合)
研究期間1999~1999
研究担当者藤森英樹、飯坂正弘、櫻井清一
発表論文分散中小野菜産地の出荷ネットワーク形成過程、1999年度日本農業経済学会論文集、301-306、1999.
発行年度1999
収録データベース研究成果情報

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