ボーリング処理による排水不良園のナシ「幸水」の果実品質と花芽着生の向上

ボーリング処理による排水不良園のナシ「幸水」の果実品質と花芽着生の向上

タイトルボーリング処理による排水不良園のナシ「幸水」の果実品質と花芽着生の向上
要約排水不良園のナシ「幸水」は動力噴霧機の水圧を利用した掘削機により、樹冠1㎡当たり1穴の割合で土壌中に深さ1.5mの穴をあけると透水性が大きく向上し、処理当年から根活力と果実品質が優れ、良質な花芽が着生する。
担当機関広島県立農業技術センター 果樹研究所 落葉果樹研究室
連絡先0846-45-1225
区分(部会名)中国農業
分類普及
背景・ねらい 土壌中に不透水層が発達し、暗渠の排水効果が低下した排水不良園のナシ「幸水」は、長雨時に土壌中の酸素不足により根活力が低下し、果実品質や花芽の着生が不良となる。そこで、市販の掘削機「ボーリングノズル」を用いて排水穴をあけ、処理当年および翌年の果実生産に及ぼす影響を解明し、高品質果を安定生産するための排水促進法を確立する。
成果の内容・特徴
  1. ボーリング処理は、樹幹を中心としてドーナツ状に行う(図1)。
  2. 10a当たり27樹植えのナシ「幸水」(平均樹冠面積18㎡)の排水不良園(傾斜度北面2.5°)に対して、深さ1.5mまで樹冠1㎡当たり1穴のボーリング処理(以下、1穴処理と略す)を行う場合の作業労力は、2人1組で10a当たり2.8日を要する。
  3. 処理後の土壌の透水性は、無処理に比べて大きく向上する(表1)。
  4. 深さ15cmまでの細根活力は処理の有無による差が大きい。なお、1穴処理の細根活力は無処理に比べて当年が1.6倍、翌年が2.9倍に向上し、最も処理効果が高い(図2)。
  5. 収穫時の1穴処理の果実品質は、無処理に比べて果重が12~14g増加し、糖度(Brix)が0.4~0.8高まるので、300g以上で糖度12以上の高品質果が生産できる(表2)。
  6. 落葉期における予備枝由来の発育枝のえき花芽着生率は、ボーリング数が多いほど高くなる(表2)。
  7. 処理翌年の満開期における長果枝の3番花と5番花の子房の長径は、ボーリング数が多いほど大きく、翌年の果実生産に好影響を与える(表2)。
  8. 以上のことから、1穴処理による排水促進法はより少ない労力で土壌の透水性を改善し、処理当年からナシ「幸水」の根活力と果実品質を向上し、良質な花芽を着生させる。
成果の活用面・留意点
  1. ボーリング処理は、不透水層の下に暗渠または砂礫層が存在する園に適用できる。
  2. ボーリング処理の実施前には、検土杖等を用いて園内で最も排水の悪い地点を2~3か所試掘し、暗渠または砂礫層の深さを確認する。

具体的データ
図1
表1
図2
表2
予算区分地域重要新技術
研究期間1999~2000
研究担当者加納徹治、松本 要、中元勝彦
発表論文なし
発行年度1999
収録データベース研究成果情報

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