ダイコン栽培におけるマルチを利用した有機物連用技術

ダイコン栽培におけるマルチを利用した有機物連用技術

タイトルダイコン栽培におけるマルチを利用した有機物連用技術
要約ダイコン栽培で、牛糞堆肥、豚糞堆肥を施用する場合、マルチを利用することにより、岐根の発生を抑制し化学肥料と同等以上の秀品収量水準を維持できる。またマルチにより作土層からの窒素の溶脱を防止できる。
担当機関中国農業試験場 畑地利用部 畑土壌管理研究室
連絡先0773-42-9909
区分(部会名)中国農業
分類指導
背景・ねらい 野菜作では、化学肥料の多投により増収を図ってきた結果、養分の過剰集積による土壌環境の悪化、生理障害の多発や肥料成分の溶脱による環境への負荷の増加を来している。一般的に根に生理障害等が発生しやすく有機物施用が敬遠されがちなダイコンに対して、有機物利用の促進を図る観点から、有機物(牛糞・豚糞堆肥)を積極的に活用し、化学肥料の削減を可能とする環境負荷の少ない有機物連用技術を検討した。
成果の内容・特徴
  1. 窒素肥料18kg/10aを標準施用量として、3倍量までの牛糞・豚糞堆肥を施用する7年・14作にわたる連用試験の収量品質試験の結果である。各堆肥中の全窒素成分量で目標量を毎作全層施用(標準量:牛糞堆肥3.75t/10a 豚糞堆肥2.66t/10a)した。牛糞堆肥(イナワラ牛糞、窒素1.37% C/N比12.77)は1年間堆積及び豚糞堆肥(オガクズ豚糞、窒素 1.90% C/N比 12.58)は完熟に近い市販のものを使用した。
  2. ダイコンの秀品収量推移は、無マルチ栽培では有機物施用区が化成肥料区と同等もしくは低収の場合がみられ、かつ年次による変動が大きいのに対して、マルチ栽培を行うことにより、牛糞・豚糞堆肥連用でも化学肥料と同等以上の収量水準を維持できる(図1)。
  3. 無マルチ条件で、豚糞堆肥を標準量から3倍量、牛糞堆肥を3倍量施用すると、化成肥料標準区よりも岐根の発生率が高くなる。一方、マルチ条件での標準量施用区では、いずれの堆肥でも岐根発生率は低く、また規格外小の株率も減少する(表1)。
  4. 有機物連用による作土層中の残存窒素量はマルチ栽培区の方が多いにもかかわらず、作土層からの窒素の推定溶脱量は少なく、環境負荷が小さいことが示唆される(図2)。
成果の活用面・留意点
  1. 供試土壌は細粒褐色低地土壌であり、マルチはシルバーポリフィルムを使用した。また非作付期間中もマルチは敷設したままであり、次作の施肥前にマルチは除去した。
  2. 本成果は、ダイコン栽培における家畜糞堆肥利用に関する基礎資料となる。

具体的データ
図1
表1
図2
予算区分一般別枠(物質循環)
研究期間1998~1999
研究担当者浦嶋泰文、塩見文武(現
発表論文有機物連用およびマルチ栽培における土壌の化学性、第95回日本土壌肥料学会関西支部講演会講演要旨集、6、1999.
発行年度1999
収録データベース研究成果情報

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