胚培養によるナガイモ新品種候補「園試1号」

胚培養によるナガイモ新品種候補「園試1号」

タイトル胚培養によるナガイモ新品種候補「園試1号」
要約ナガイモとイチョウイモの人工交配条件を明らかにするとともに、胚培養法を開発した。また、得られた交雑種の形質調査を行った中から、粘りが強く、かつ比較的短い「園試1号」を選抜した。
担当機関鳥取県園芸試験場 生物工学研究室
連絡先0858-23-1341
区分(部会名)中国農業
専門バイテク
研究対象根菜類
分類普及
背景・ねらい 鳥取県中部の砂丘地帯では、古くからナガイモが栽培されている。昭和48年頃までは「早掘り砂丘ナガイモ」として比較的高い単価で販売されていた。しかし昭和50~60年代になると、青森県をはじめとする競合産地の大増産、及び鳥取産ナガイモは長大であるが折れ易く、また、粘りが弱い等の欠点のため単価が低迷し、近年は栽培面積が減少している。そこで雄株であるナガイモと、雌株であり粘りが強く短型のイチョウイモとの交雑により、短型で粘りが強いナガイモを育成する。
成果の内容・特徴
  1. イチョウイモの雌花は一日中開花しているが、ナガイモの雄花は午前5時から7時の間に開花するので、この時間に交配を行うことが必要である。
  2. 交雑種子を土壌に播種した場合の発芽率は7%であるが、交雑種子より成熟胚を摘出し、ショ糖3%を添加したMS培地で胚培養を行うと発芽率が36%に向上する(図1)。
  3. 胚培養の培地にトランスゼアチンを0.1mg/l 添加することによって、胚の発芽率は79%と飛躍的に向上する(図2)。
  4. イチョウイモとナガイモの交雑により112個体の雑種が得られ、これらの中から粘りが強く、比較的短い円筒型の交雑種「園試1号」を選抜した(図3)。
  5. 交雑種「園試1号」の粘度(粘りの強さ)を粘度測定器 で測定すると33.0 Pa・sであり、在来ナガイモの粘度17.6 Pa・sより約2倍強い(表1)。
  6. 交雑種「園試1号」の担根体の重量は1,315gであり、在来ナガイモの1,356gと同等である(表1)。交雑種「園試1号」の担根体の全長は76.4cmであり、在来ナガイモの81.8cmより約1割短い(表1)。

成果の活用面・留意点
  1. 交雑種「園試1号」は品種名を農家等より公募して平成11年度に種苗登録の申請を行う予定である。
  2. 今後は、交雑種「園試1号」の種苗供給方法を検討する。

具体的データ
図1
図2
図3
表1
予算区分県単
研究期間1999~1999
研究担当者下中雅仁、森本隆義、川上和博、前田英博、大村修司、鷹見敏彦
発表論文ヤマノイモ属植物の胚培養による種間雑種の育成 Ⅰ.人工交配条件と胚培養条件、育種学雑誌、47巻 別冊2号、268、1997.ヤマノイモ属植物の胚培養による種間雑種の育成 Ⅱ.雑種の生育及び品質特性、育種学雑誌、47巻 別冊2号、269、1997.鳥取県産ラッキョウ・長いも・白ねぎの品質特性と今後の市場対応、システム農学、Vol.16、No.1、27-32、2000(印刷中).
発行年度1999
収録データベース研究成果情報

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