複維地形下の光環境計算のための遮蔽物の有無の判定の高速化

複維地形下の光環境計算のための遮蔽物の有無の判定の高速化

タイトル複維地形下の光環境計算のための遮蔽物の有無の判定の高速化
要約複雑地形下の光環境の計算で、光線を地表面から影方向に延ばして、高度を比較することで、多くの演算量を費やしている山などの遮蔽物の有無の判定を高速に行える。
担当機関中国農業試験場 地域基盤研究部 気象資源研究室
連絡先0849-23-4100
区分(部会名)中国農業
専門農業気象
分類研究
背景・ねらい 光環境は作物生産に大きな影響を及ぼすことから、複雑地形下の光環境の評価に対する要望は強い。数値地図の整備やレ-ザプロファイラ-の導入によって、複雑地形下の地表面や地物の詳細な高度が容易に入手できるようになり、光環境は幾何学的な計算で高精度な推定が可能なため、コンピュ-タを用いる計算で評価される場合が多い。しかしながら、従来の計算法では、山や地物による光の遮蔽の有無の判定に多くの演算を費やし、現在の高速なコンピュ-タでも、詳細な評価は困難な状況にある。そこで、従来法の問題点を改良する新たな計算手順を開発する。
成果の内容・特徴
  1. 従来の計算手順では、図1に示されるように、あるメッシュから光源方向に向う各メッシュまでの距離と高度差の比から仰角を計算することを繰り返して、光源方向の仰角の最大値を算定する。そして、その値と太陽高度を比較して、光源方向の遮蔽物の有無を判定する。
  2. このように、各メッシュ毎に単位長さ当たりのメッシュ数Nに比例する回数の仰角計算を行うため、光源の方位毎に対象領域全体ではNの3乗オ-ダの演算が必要になる。
  3. そのため、実用的には、ある範囲の方位角では遮蔽の有無を同一としたり、遠方のメッシュのサイズを大きくするなどの近似計算を行わざるを得ない状況にある。
  4. 新しい計算手順では、図2に示されるように、光線をメッシュから影方向に延ばして、地表面や地物と高度を比較して、そのメッシュが遮蔽物の影の中にあるかないかを判定する。
  5. そして、もし光線の通過する高度が地表面や地物より高い場合は、そのメッシュは遮蔽物の影の中にあると判定して、そのまま光線の軌跡を延ばす。逆に、低い場合は、そのメッシュは遮蔽物の影の中にはないと判定して、そこを新たな起点として光線を影方向に延ばす。
  6. この結果、各地点が影の中にあるかないかの判定が1回で行え、光源の方位毎の対象領域全体の遮蔽の有無の演算量はNの2乗オ-ダとなって、従来法と比較して大きく減少する。そのため、従来のような近似計算は不用である。

成果の活用面・留意点
  1. メッシュサイズを50mとした場合、光源の方位毎の演算量は新旧の計算手順で数十倍の差となる。メッシュを小さくすると、その差はより大きくなる。
  2. 光線の軌跡の詳細な導出法は発表論文を参考にされたい。

具体的データ
図1
図2
予算区分連携研究(中山間)、地域総合(軟弱野菜)
研究期間1999~2000
研究担当者大原源二
発表論文球体上の光線追跡法による高速・高精度日照環境推定法、農業気象学会講演要旨、142-143、1999.
発行年度2000
収録データベース研究成果情報

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