レーザ変位計を利用した水田用精密ライシメータ

レーザ変位計を利用した水田用精密ライシメータ

タイトルレーザ変位計を利用した水田用精密ライシメータ
要約レーザ変位計を水位測定に利用して、水田の蒸発散量を時間単位で求めることのできる極めて高精度のライシメータを開発した。このライシメータを使用することにより、夜間の水稲出液量の測定も可能である。
キーワードライシメータ、水田、蒸発散、レーザ変位計、イネ
担当機関(独)農業技術研究機構 東北農業研究センター 地域基盤研究部 連携研究第2チーム
連絡先019-643-3462
区分(部会名)共通基盤
分類科学、参考
背景・ねらい将来予測される高濃度CO2環境下では、植物の気孔が閉じる傾向にあり、蒸発散をはじめとする植生の熱収支が変わり、気候に大きな影響を及ぼす。このため高濃度CO2実験において、気孔の挙動や蒸発散量の変化を高精度に測定する手法の開発が求められている。
成果の内容・特徴1.
水田に有底のライシメータと水位測定用の箱を設置し、両者の水位が同一になるように連通管で結ぶ。ライシメータの水位が風で変動しても、測定箱の水位はほとんど変化しない。水位測定箱は、雨風の影響を受けないように覆いをし、レーザを反射するために平滑な板を水面に浮かべる。水位変化をレーザ変位計(測定距離±範囲:100±40mm、分解能:10mm、出力信号:±4V、電源:DC12-24V)で測定する(図1)。
2.
蒸発散量は、[水位変化×(ライシメータ水面面積+測定箱水面面積)/ライシメータ水面面積]でもとめる。
3.
転倒マス雨量計で測定した降水量と比較して、両者の差は時間値で0.1mm以下、日値でも0.1mm程度である(図2)。
4.
図3は、イネを3株植えたライシメータ(長さ52cm×幅30cm×深さ40cm)と内径132mm、高さ27cmの塩ビ製の円筒測定箱を用いて、FACE(開放系大気CO2増加)実験で蒸発散量を測定した例である。高濃度CO2下では対照区に比べて蒸発散量が低下する、出液が主因と見られる吸水が夜間に観測されるなど、詳細な変化を実測できる。
5.
ライシメータの水面蒸発を流動パラフィン等で抑えることにより、水稲の出液量を測定できる(図4)。
成果の活用面・留意点1.
養液栽培の実験植物の蒸発散測定にも利用できる。
2.
水稲の生長に伴い、ライシメータ内の実水面面積が減少するので、定期的に正確に秤量した水をライシメータに加えて、補正値をもとめる。
3.
ライシメータは塩ビ板や鉄板を用いて水漏れのないように作る。アクリルは膨張係数が大きいので避ける。2株用(30cm×30cm)~8株用(60cm×60cm)の大きさのライシメータを同上の測定箱と組み合わせてテストしたが、測定精度に差はない。
4.
連通管には、内径10-12mmの軟質透明チューブを使用する。距離は2m以内とする。
5.
表面が平滑な浮きは、発泡プラスチックに白色の硬質プラスチック板を接着して作る。
6.
出力信号は1秒間隔で測定し、10分以上の平均値を、データロガーにより記録する。
7.
有底ライシメータでは肥料が溶脱しないので、漏水の大きい水田ではライシメータ内の植物が周囲よりも大きくなり、蒸発散量の測定値が過大になる。
具体的データ
図表
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予算区分一般研究
研究期間2001~2004
研究担当者岡田益己、吉本真由美(農環研)、金 漢龍(JSPS東大)、中村浩史(東北農研)
発表論文1) 岡田ら(2001)農業環境工学関連4学会2001年合同大会発表要旨 157.
発行年度2001
収録データベース研究成果情報

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