飼料イネ耕畜連携システムの導入による二酸化炭素排出量の変化

飼料イネ耕畜連携システムの導入による二酸化炭素排出量の変化

タイトル飼料イネ耕畜連携システムの導入による二酸化炭素排出量の変化
要約飼料イネ生産・利用による耕畜連携資源循環システム導入の前後で二酸化炭素排出量を比較すると、現在のWCSの生産水準では耕畜連携が成立する場合でもCO2排出量は増加する。一方、栽培技術の向上により物財費ベースの生産費用価が現在の1/3にまで低下する場合は、システム当たり30t削減される。
キーワード飼料イネ、耕畜連携システム、LC-CO2、産業連関分析
担当機関(独)農業・食品産業技術総合研究機構 中央農業総合研究センター 環境影響評価研究チーム
連絡先029-838-8417 / senna@affrc.go.jp / senna@affrc.go.jp
区分(部会名)共通基盤
分類行政、参考
背景・ねらい 飼料イネ耕畜連携システムは、助成の減額等により普及面積が頭打ちとなっている。一方、環境問題への関心の高まりにより、資源循環型の農業技術として注目されている。
 そこで本研究では、耕畜連携システム導入によるライフサイクルでの二酸化炭素排出量(LC-CO2)を計測し、温室効果ガス削減の観点から飼料イネ生産の可能性を検討する。
成果の内容・特徴
  1. 20haの飼料イネ生産団地と搾乳牛40頭(平均乳量8t)の畜産農家との耕畜連携システムを想定し、耕畜連携システム導入による二酸化炭素排出の変化量を計測する。生産資材等の製造過程に起因する排出量は産業連関分析法で計測し、生産過程の燃料消費による排出量は燃料毎の排出原単位に使用量を乗じて求める。なお、酪農部門の生産技術(乳量水準や生産コスト)はシステム導入前後で一定とする。
  2. 既存の生産体系を図1、資源循環システムを図2とする。システム導入前は、耕種部門は水張り水田で生産調整を行い、酪農家は輸入乾草を購入している。
    図1から図2への移行による排出増の要因として、①WCS生産にともなう諸資材・燃料の使用や機械の減価償却相当分、②WCS運搬にともなう燃料等の使用があげられる。一方、排出減の要因としては、③乾草利用の減少、④ふん尿堆肥利用による肥料の使用減等があげられる。
  3. 飼料イネ生産技術に関してシナリオを設定する(表1)。シナリオ1では物財費のみのWCS生産費用価が乾物kg当たり60円(収量1t/10a:物財費6万円)である。これは現在の平均的な飼料イネ生産費用価に相当する。生産技術が向上したシナリオ4では乾物kg当たり20円であるが、これは酪農家のWCSに対する留保価格(労働費込みで35円/乾物kg)に等しく、仮に助成がない場合でもWCSが流通可能となる水準である。
  4. 既存の生産体系をコントロールとし、LC-CO2の変化量を計測する。
    シナリオ1.2.3では資源循環型システム導入によりCO2排出は増加する(図3)。システム当たりの二酸化炭素排出量はシナリオ1で75.5t、2で27.9 t、3で4.6 tの増加となるが、これはWCSの生産効率が低いためである。
    一方、技術進歩が相当程度進んだシナリオ4の場合は、耕畜連携システムの稼働によって二酸化炭素排出量はシステム当たり29.7 t削減される。
成果の活用面・留意点 地域で導入が図られている各種の資源循環システムの評価に利用できる。
 今回の試算では、小地域内で全てが完結するという理想的な資源循環システムを想定している。耕畜連携が広範囲にわたるケースの二酸化炭素排出量はここでの想定を上回ることに留意されたい。
具体的データ
図1 既存の生産体系
注)
表1 飼料イネ生産水準に関するシナリオ
図3 飼料イネ資源循環システムのCO2 排出削減効果
予算区分基盤
研究期間2002~2006
研究担当者小野洋、堀江達哉、尾関秀樹、林清忠、井上荘太朗、中島隆博、太田健、小綿寿志、佐藤正衛
発行年度2006
収録データベース研究成果情報

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