歩行用トラクタに係わる後進時の安全要件

歩行用トラクタに係わる後進時の安全要件

タイトル歩行用トラクタに係わる後進時の安全要件
要約 歩行用トラクタの後進時の安全性を一層向上させるには、発進時の速度あるいは最高速度を更に低減すること、可能な機種では後進速度段をなくすことが必要である。
キーワード歩行用トラクタ、安全要件、速度、ハンドル反力、押下力
担当機関原動機第1試験室
(独)農業・食品産業技術総合研究機構 生物系特定産業技術研究支援センター 評価試験部 原動機第2試験室
連絡先048-654-7103 / info-iam_hyoushibu@ml.affrc.go.jp / info-iam_hyoushibu@ml.affrc.go.jp
区分(部会名)共通基盤
分類行政、普及
背景・ねらい 歩行用トラクタは、死亡事故発生件数が多い機種の1つであり、事故原因の約6~7割が後進時の挟まれや回転部等への巻き込まれとなっている。生研センターが実施する安全鑑定における後進時の対策として、緊急停止ボタン(デッドマンクラッチ、またはハンドルと物の間に人が挟まれるとクラッチが自動的に切れる装置でもよい)や後進最高速度1m/s以下とする規制があるが、歩行用トラクタに対する後進時の安全性を一層向上させるための要件を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 歩行用トラクタにおいて、後進発進することを意識した上で、主クラッチレバーを「入」に接続し、後進発進した後、主クラッチレバーを再び「切」に操作する場合(被験者:男1名、女6名、年齢40~55歳、身長149~168、体重50~70kg)、発進速度が0.5~0.6m/s以上になると、主クラッチレバーを再び「切」にする操作が困難になる。
  2. 歩行用トラクタのハンドルに下げたおもりでハンドルが持ち上がる力(ハンドル反力)と釣り合わせる方法によって測定したハンドル反力は、機関回転速度に概ね比例し、アイドリング時であっても大きなハンドル反力が発生する場合がある(表1、図1)。
  3. ロードセルによる定置での押下力(人が歩行用トラクタのハンドルを押し下げる力)(被験者:男31名、女22名、年齢23~62歳、身長148~180cm、体重42~82kg)は、標準のハンドル高さ90cm(男性223~557N〔平均382N〕、女性146~403N〔同272N〕)>ハンドルが持ち上がった状態のハンドル高さ130cm(男性129~540N〔同317N〕、女性112~420N〔同230N〕)>ハンドルが持ち上がる途中のハンドル高さ110cm(男性112~540N〔同287N〕、女性86~275N〔同177N〕)の順に低下する(図2)。
  4. ハンドル反力と押下力の比較において、後進変速段や機関回転速度(または、後進発進速度)が高くなるほど、ハンドルが持ち上がりやすく、押下力がハンドル反力を下回るため、機械の操作が難しくなる。
  5. 歩行用トラクタに対して、1)後進発進時の速度を低減する、2)安全鑑定基準に定めている後進最高速度1.0m/sを更に低減する、3)可能な機種では後進速度段をなくす、のいずれかの対策を施すことが、後進時の事故防止の安全要件として新たに必要である。
成果の活用面・留意点
  1. 本安全要件を生研センターが実施する安全鑑定の基準に反映させる。
具体的データ
表1 アイドリング時のハンドル反力(最大値)
図2 女性のハンドル押下力
予算区分経常・所内特研(一般)
研究期間2003~2005
研究担当者清水一史、杉浦泰郎、高橋弘行、積栄、古山隆司 
発行年度2006
収録データベース研究成果情報

研究成果情報アクセスランキング

Copyright 2017 農林水産省 農林水産技術会議事務局筑波産学連携支援センター

Tsukuba Business-Academia Cooperation Support Center, Agriculture, Forestry and Fisheries Research Council Secretariat