ドリフト低減型ノズルに対応した散布量制御機能付きブームスプレーヤ

ドリフト低減型ノズルに対応した散布量制御機能付きブームスプレーヤ

タイトルドリフト低減型ノズルに対応した散布量制御機能付きブームスプレーヤ
要約 ドリフト(農薬飛散)を従来の慣行ノズルよりも大幅に低減できるノズルを標準で装備し、これを用いて所定の散布量となるよう噴霧量を作業速度に合わせて調節する機能を備えたトラクタ搭載式のブームスプレーヤ。
キーワードブームスプレーヤ、ノズル、農薬散布、ドリフト、散布量
担当機関(独)農業・食品産業技術総合研究機構 生物系特定産業技術研究支援センター 特別研究チーム(ドリフト)
連絡先048-654-7000
区分(部会名)共通基盤
分類技術、普及
背景・ねらい ポジティブリスト制が実施される中で、農薬散布作業時のドリフト(農薬飛散)の防止が課題となっている。生研センターでは、慣行と同等の作業ができ、防除効果を確保しつつ、ドリフトを大幅に低減するブームスプレーヤ用ノズル(ドリフト低減型ノズル)を防除機メーカーと共同開発した。同ノズルは、2006年3月より市販化され、普及が進んでいる。通常、同ノズルを既存ブームスプレーヤに装着して使用する場合に、前装のノズル(通常のノズル)と交換しただけでは同じ噴霧量になるとは限らないため、所定の散布量と散布精度を確保するために、噴霧量を同一にする、または、散布量が同じになるよう散布速度を変更するなどの対応が必要となる。そこで、ドリフト低減型ノズルを使用する際に、煩雑な操作なしに所定の散布量となるよう、作業速度に合わせて噴霧量を調節する機能を備えたトラクタ搭載式のブームスプレーヤを開発する。
成果の内容・特徴
  1. 開発機は、トラクタ搭載式ブームスプレーヤ2機種(図1)で、A機は調圧弁・流量制御弁併用式(噴霧圧力と管路内流量を同時に制御して所定の噴霧量を得る方式)、B機は調圧弁制御式(噴霧圧力を制御して所定の噴霧量を得る方式)の作業速度連動装置を搭載している。両機の作業速度の検出は、搭載トラクタの片側後輪に電磁式回転検出装置を装着する方式である(表1)。
  2. 開発機は、ノズル3種類を同時に装着でき、標準で装備する緊プロドリフト低減型ノズル(緊プロDL)、または、本機用に開発した試作ドリフト低減型ノズル(試作DL)を装着している場合は、選択したノズルと散布量設定(150、200、300L/10aの3段階)をコントローラからボタン操作で行うだけで散布作業を行うことができる。なお、個々のノズルの変更は人手で行う。また、他のノズルまたは前記設定値以外で使用する場合は、散布量75~300L/10aの範囲であれば手動設定で作業が可能である(表1)。
  3. 開発機は、緊プロドリフト低減型ノズルまたは試作ドリフト低減型ノズル(いずれも、慣行ノズルに比べてドリフトを1/10程度に抑制可能な性能を有する)を用いて、慣行と同程度の防除効果が期待できる(表2)。
成果の活用面・留意点
  1. 開発機を使用することにより、慣行と同等の散布作業を行いつつ、ドリフトによる近隣への危被害発生のリスクを軽減できる。
  2. 防除機メーカーにより、平成21年の市販化を予定。
  3. 上記ノズル以外で散布量制御を行う場合は、個別に初期設定変更等が必要である。
  4. 開発機を使用する場合でも、風が強い条件、あるいは、散布地点から至近距離に別のほ場や栽培中の他の作物がある場合等には、ドリフトによる危被害防止のため、作業経路や散布計画・日程の変更、遮蔽物(シート、ネット等)の設置等の対策が求められる。
具体的データ
図1 開発機(トラクタ搭載式ブームスプレーヤ)
表1 開発機の概要
図2 設定散布量と実散布量の関係
予算区分経常・次世代緊プロ(共同)
研究期間2003~2007
研究担当者宮原佳彦、牧野英二、臼井善彦、市来秀之、吉永慶太、安食惠治、杉山隆夫、大西明日見、藤岡修、市川友彦、鈴木理敏、(株)共立、(株)丸山製作所、ヤマホ工業(株)
発行年度2007
収録データベース研究成果情報

研究成果情報アクセスランキング

Copyright 2017 農林水産省 農林水産技術会議事務局筑波産学連携支援センター

Tsukuba Business-Academia Cooperation Support Center, Agriculture, Forestry and Fisheries Research Council Secretariat