比較LCAによる新技術体系の導入可能性評価

比較LCAによる新技術体系の導入可能性評価

タイトル比較LCAによる新技術体系の導入可能性評価
要約 新技術体系が慣行体系に比べ、環境影響および経済性の観点から、どの程度改善されているかを検討するための比較LCAの枠組を示す。インベントリ分析と影響評価により、複数の農業生産システムが、環境指標や経済性指標に基づき比較できるようになる。
キーワードLCA、農業生産システム、技術評価、環境影響、経済性
担当機関(独)農業・食品産業技術総合研究機構 中央農業総合研究センター 環境影響評価研究チーム
連絡先029-838-8874
区分(部会名)共通基盤
分類研究、参考
背景・ねらい より効率的なバイオ燃料生産を実現するため、エネルギー作物栽培のエネルギー効率や経済性の改善が求められている。また、有機農業の導入においても、環境負荷のさらなる低減や経済性の向上が、技術体系の開発上重要な意味をもっている。このとき、技術開発の程度を評価するためには、技術が完成する前にポテンシャルとしてのエネルギー投入量や環境負荷、さらには経済性を評価する方法が必要である。そこで、LCAによって複数の技術体系を比較する技術評価の方法論を開発し、その適用例を示す。
成果の内容・特徴
  1. LCAの枠組みに基づき、新技術体系が慣行体系に比べ、環境影響および経済性の観点から、どの程度改善されているかを検討するための方法である(図1)。分析手順は、通常のLCAと同様に、目的と調査範囲の設定、インベントリ分析、影響評価であり、それぞれの段階で解釈が行われる。
  2. 主要な特徴は、新技術導入の可能性を検討するため、複数の技術体系のインベントリを作成するところにある。複数の技術体系は、相互に比較される代替案であり、新技術体系はシナリオ作成によって示される将来像でもある。インベントリ作成のため収集するデータは、フォアグラウンド(前景)の農業生産プロセスであり、生産資材製造等のバックグラウンド(背景)プロセスは、既存のデータベースを活用する。
  3. 本方法は、たとえば、エネルギー作物栽培における慣行技術体系と新技術体系を比較するために利用することができる(図2)。テンサイとサトウキビを事例に、エネルギー投入量、地球温暖化ポテンシャル、生産費を求めると、新技術体系の導入によって環境負荷が小さくなると同時に、生産費も小さくなることが示される。
成果の活用面・留意点
  1. 技術体系データと引き替えに計算結果を提供するという形で、インベントリデータ作成の基礎となるエクセルファイルを配布可能である。
  2. 比較LCAは、農業生産システム以外に、バイオ燃料製造、堆肥製造等に広く利用可能である。
  3. 環境負荷等の単位(分母)である作物生産量(t)は、機能単位の一例であり、評価目的に応じて他の単位(面積、燃料生産量、走行距離等)を使用する必要がある。
  4. 環境指標(影響領域)としては、エネルギー投入量、地球温暖化以外に、富栄養化、酸性化、生態毒性等を検討する必要がある。
具体的データ
図1 分析手順の概要
図2 慣行技術体系と新技術体系を比較した例
予算区分基盤、委託プロ(バイオマス)、科研費
研究期間2006~2008
研究担当者林清忠、内田晋(特別研究員)
発行年度2008
収録データベース研究成果情報

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