箱わなで捕獲された小型イノシシを移送・処理するための小型軽量ケージ

箱わなで捕獲された小型イノシシを移送・処理するための小型軽量ケージ

タイトル箱わなで捕獲された小型イノシシを移送・処理するための小型軽量ケージ
要約本ケージを用いると、小型イノシシを短時間で生きたまま移送できるほか、捕獲現場での殺処理も容易となる。軽量なため一人で持ち運んで設置でき、大人二人で小型イノシシ数頭(総重量約45kg)を同時に移送することができる。
キーワード鳥獣害、イノシシ、箱わな捕獲、生体移送、捕獲処理
担当機関栃木県
(独)農業・食品産業技術総合研究機構 中央農業総合研究センター 鳥獣害研究サブチーム
連絡先029-838-8928
区分(部会名)関東東海北陸農業
区分(部会名)共通基盤
分類技術、参考
背景・ねらいイノシシによる農作物の被害が全国的な問題となり、捕獲が奨励されている。しかしながら、狩猟者の減少と高齢化が進みつつあり、被害地では、被害農家がわな猟免許を取得して、捕獲に参加する場合も多い。このため、箱わなによって捕獲される小型個体を銃なしで安全に効率良く処理するためのケージを考案し、効果を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. ケージ本体は縦51.5cm・横82.5cm・高さ51.5cmの箱形・鉄メッシュ製(径3mm、目あい5cm)で、大人一人で運搬できる重量19kgに軽量化されている(図1、写真1)。軽量で強度を高めるため、ケージの胴体部分は材料のメッシュをコの字形に折り曲げて上・下面の中央部で溶接し、溶接部はケージの角を避けている。
  2. ケージは箱わな(通常、縦1m横2m高さ1m程度)と対面させて設置する(図1)が、ケージには、箱わなとの隙間を埋める開き戸及び箱わなに固定するバネ付フック(図1中のab)が装備され、箱わなとの着脱が確実かつ容易である。開き戸は厚さ5mmの木板製だが、強度を高めるため、厚さ2mmの鉄板に裏打ちされている。箱わなとケージの入口を開けてイノシシを移動させた後、ケージの扉が開かないようストッパーを掛ける。ケージへのイノシシの移動は、ケージの箱わなへの着脱時間も含めて平均1.4分と短時間で実施できる(表1)。
  3. ケージによるイノシシの運搬は、リング状の装着金具(図1中のc)に担ぎ棒(手提げ兼用)を固定して行う。ケージの軽量化により、2人で総重量46kg、5人で総重量75kgまでのイノシシ(2~4個体)を同時に運搬できる。
  4. ケージを用いるとイノシシの動きが制限されるため、刺殺に要する時間が短縮できる(ケージ使用時は平均6.2分、不使用時は平均16.4分)(表2)。
成果の活用面・留意点
  1. 本ケージは、ケージ本体の高さ(51.5cm)と同程度までの体高をもつ、体重約30kgまでの小型個体に使用できる。このため、小型個体の捕獲が多い箱わなにおいて、生体の移送や、銃なしでの処理に役立つ。大型個体の処理には、本ケージを使用せず、銃を使用するなど他の方法を用いる。
  2. 小型イノシシを衛生的な処理施設へ短時間で移送したり、現場で迅速に処理できるため、捕獲個体の獣肉利用に貢献できる。
  3. 本ケージは、ワインセラーすなが(足利市)にて製品化を計画中である。
  4. アライグマやタヌキなど中型哺乳類の運搬や処理にも活用できる。
  5. 小型イノシシがケージ内に突進する場合があるため、ケージ本体及び開き戸を杭などで後方から押さえると、安全性が増す。
具体的データ
図1 移動処理時のケージと箱わなの位置(左:ケージ、右:箱わな)
写真1 ケージで移送されるイノシシ(3頭合計36kg、担ぎ棒が装着され、開き戸は閉じている)
表1 ケージへの移動に要する時間
表2 刺殺に要する時間
予算区分基盤、実用技術(営農管理)
研究期間2007~2008
研究担当者仲谷淳、百瀬浩、須永重夫(ワインセラーすなが)、矢野幸宏(栃木県県民の森)、松田奈帆子(栃木県県民の森)、丸山哲也(栃木県自然環境課)
発行年度2008
収録データベース研究成果情報

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