水稲湛水直播栽培における落水出芽法

水稲湛水直播栽培における落水出芽法

タイトル水稲湛水直播栽培における落水出芽法
要約落水出芽法では、乾籾重量比100%の過酸化石灰粉粒剤コーティング種子を、代かきした水田に播種深度10㎜程度に播種後、出芽始めまで10~15日間落水管理を行う。従来の5㎜以内の浅播き・播種後湛水栽培の問題点であった浮き苗と倒伏の防止に効果があり、北海道における湛水直播栽培の安定性が強化される。
担当機関北海道立上川農業試験場 研究部 水稲栽培科
北海道立中央農業試験場 稲作部 栽培第一科
区分(部会名)作物
区分(部会名)北海道農業
専門栽培
研究対象稲類
分類指導
背景・ねらい播種後出芽始めまで落水する「落水出芽法」を導入し、慣行法である浅播
き・常時湛水直播では不安定であった出芽・苗立ち、耐倒伏性および収量性の
安定・強化を図る。
成果の内容・特徴
  1. 落水出芽法では、埋没深度を慣行法よりもやや深くするが、苗立ちは良好
    で、浮き苗が少なく、出穂後の倒伏もみられず、収量は慣行法(播種後湛水)
    に優る(表1)。
  2. 落水出芽法では、種子近傍の土壌が酸化的に保たれるため、出芽・苗立ち
    の安定性が高まる(図1)。
  3. 播種後落水期間中における地表下1㎝の地温を湛水条件と比較すると、日
    最低地温は落水区でやや低いが、日最高地温はむしろ落水区で高い場合が多
    い。
  4. 過酸化石灰粉粒剤16を乾籾重量比100%コーティングした種子の苗立ち率
    は、播種深度10㎜で最も高い(図2)。
  5. 条播および散播の各種湛水直播播種機を導入したところ、いずれの場合で
    も落水出芽法の実用性は高い(表2)。
  6. 落水出芽法では、慣行法に比べてノビエが多発する(図3)。
    入水直後の直播用一発処理剤と入水後14~20日のノビエ専用剤との体系処理が効果的である。
成果の活用面・留意点
  1. 水稲湛水直播栽培暫定基準(平成10年1月改訂)に基づいて実施する。
  2. 播種期は従来の播種後湛水栽培と同一で良いが、その地帯の低温の出現頻
    度を考慮して決定する。
具体的データ
(表1)
(図1)
(図2)
(表2)
(図3)
予算区分道費
研究期間1997~1997
研究担当者古原 洋、前川利彦、谷川晃一、田中英彦
発表論文北海道の水稲湛水直播栽培における「落水出芽法」の適応性について,育種・作物学会北海道談話会報,36号,1995北海道の水稲湛水直播栽培における「落水出芽法」の適応性について2)土壌還元の進行および播種深度が苗立ち率に及ぼす影響,育種・作物学会北海道談話会報,37号,1996
発行年度1997
収録データベース研究成果情報

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