キャピラリーPCR法による牛胚性判別所要時間の短縮

キャピラリーPCR法による牛胚性判別所要時間の短縮

タイトルキャピラリーPCR法による牛胚性判別所要時間の短縮
要約キャピラリーPCR法による牛胚性判別では、従来法より反応液中の酵素やマグネシウムを増量し、反応初期サイクルにおける各温度の設定時間を十分にとることにより、判別率は及ばないもののPCR所要時間を従来の3時間から1時間10分程度に短縮できた。
担当機関北海道立新得畜産試験場 生産技術部 生物工学科
連絡先01566ー4ー5321
区分(部会名)北海道農業
専門繁殖
研究対象家畜類
背景・ねらいPCR法を用いた牛胚の性判別技術を実用化し普及させるにあたって、特に現場から改善が求められているPCR所要時間の短縮について、キャピラリーPCR装置を用いた条件について検討し、併せて判別胚の移植試験を行う。
成果の内容・特徴
  1. キャピラリーPCR装置を用いて、これまでと同じ条件でPCRを行った場合、既存の装置に比べて温度の上昇下降速度が速いため、PCR所要時間は約30分短縮された。
  2. 表2に示した条件でキャピラリーPCRを行った場合、典型的な1サイクルの長さは図1のようになり、PCR所要時間は従来法(表1)の3時間から1時間10分程度に短縮できた。
  3. キャピラリーPCR法において、安定した増幅結果を得るために特に影響が大きかったのは、反応初期の時間設定とDNA合成酵素の量であった。この条件において検出できたのは1pgまでで、従来法の0.5pgと比べて感度が低かった。
  4. 同じ体内受精胚に由来するDNAサンプルを2つに分けて、それぞれをキャピラリーPCR法と従来法のテンプレートとして用い、判別率(判別できた胚数/供試胚数)を比較したところ、それぞれ78.5%、89.2%であり、キャピラリーPCR法の判別率は有意に低く(p<0.01)、従来法に及ばなかった(表3)。なお、判別できた胚の性別は両法で一致していた。
  5. キャピラリーPCR法により性判別した胚の移植実証試験では、受胎率57.1%、判別率76.3%であり、判定できたものについては産子の性別と全て一致していた(表4)。
  6. 以上の結果から、牛胚の性判別にキャピラリーPCR法を用いることにより、判別率は及ばないものの、PCR所要時間を従来の3時間から1時間10分程度に短縮できることが示された。
成果の活用面・留意点
  1. 判別率の低下を考慮しても、時間短縮が優先する場合は有効な方法である。
  2. 現状では性判別胚の凍結法については未確立なので、当面は新鮮胚移植と組み合わせての利用となる。
具体的データ
表2
図1
表1
表3
表4
予算区分道単
研究期間1998~1998
発表論文影山聡一,南橋昭,森安悟,澤井健,芦野正城,北野則泰,山本裕介,牛胚の性判別におけるキャピラリーPCRの検討(北海道牛受精卵移植研究会会報,16号,1997)
発行年度1998
収録データベース研究成果情報

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