断熱と強制結露による堆肥化施設内気温の低下防止と除臭

断熱と強制結露による堆肥化施設内気温の低下防止と除臭

タイトル断熱と強制結露による堆肥化施設内気温の低下防止と除臭
要約堆肥化施設の断熱と強制結露による除湿を行うことで、施設内気温の低下を防止し、寒冷条件下での堆肥化発酵を促進させることができる。また臭気の施設外放出も低減できる。
担当機関北海道農業試験場 作物開発部 農地農業施設研究室
連絡先011-857-9233
区分(部会名)北海道農業
専門農業施設
研究対象家畜類
分類研究
背景・ねらい寒地では特に冬期間、低温のため堆肥の発酵が停滞する。また周辺状況によっては、堆肥化施設からの臭気の放出も問題になる。そこで堆肥化施設の断熱と最小限の換気により施設からの放熱を抑え、さらに堆肥からの蒸発水分を、寒冷な外気を利用して施設内で強制的に結露させ、潜熱回収しながら除湿することで、施設内気温の低下防止を図る。本方法は換気量が小さく、また臭気成分のアンモニアが結露水に溶け込んで捕集されるため、臭気の施設外放出を低減する効果も期待できる。
成果の内容・特徴
  1. 試作した堆肥化施設は、壁と天井の全面に断熱を施し、壁の一部に外気で冷却する強制結露面を備えた構造の堆肥舎(写真1、図1)である。本堆肥舎での冬期間の堆肥化試験に供試した材料は、牛糞に乾草を混合して水分率を75~77%に調整したもので、初期全重は4.4~5.3tである。
  2. 堆肥化初期には、有機物の分解にともなう発熱量が大きいので、大きな内外気温差が確保できる(図2)。既存の開放型堆肥化施設では、外気の通気により堆肥材料が冷却されるが、本堆肥舎では、外気より高い温度の空気を通気するので、堆肥材料の冷却が抑制できる。堆肥化中期以降は、発熱量の減少に伴って効果も小さくなる。
  3. 強制結露による除湿は、換気による除湿に比べて放熱が少なく、熱的に有利である(表1)。
  4. 結露水中にアンモニアが溶け込んで回収され、臭気の施設外放出が少ない。舎内空気のアンモニア濃度は最高で300ppm程度になるが、結露水とともに捕集されるため、舎外で強い臭気を感じない。アンモニアを捕集した結露水のNH4-N濃度は、100~2000mg/Lの範囲である。
成果の活用面・留意点
  1. 堆肥原料の水分率は適度に調整されている必要がある。
  2. 密閉型で換気量が少なく臭気の放出は少ないが、施設内は高湿度かつ高アンモニア濃度となる。
  3. 結露回収水は、アンモニア態窒素が高濃度に含まれるため、無処理で排水することはできない。
  4. 実験堆肥舎は実規模施設に比べ、堆肥量に対する施設表面積が大きく、全放熱に占める壁面等からの放熱割合が大きい。このため実規模施設では、内外気温差、結露水での回収窒素量とも、より大きな値が期待できる。
具体的データ
写真1
図1
図2
表1
予算区分環境研究[家畜排泄物]
研究期間1999~1999
研究担当者干場信司(酪農学園大学)、向弘之、佐藤義和
発表論文寒冷地用堆肥化施設の開発-強制結露による除湿-.1997年農業施設学会講要:48-49.
発行年度1999
収録データベース研究成果情報

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