スギノアカネトラカミキリ被害拡散の実態解析

スギノアカネトラカミキリ被害拡散の実態解析

タイトルスギノアカネトラカミキリ被害拡散の実態解析
担当機関森林総合研究所
区分(部会名)森林
背景・ねらいスギ・ヒノキ・ヒバの材質劣化害虫の1種であるスギノアカネトラカミキリAnaglyptus subfasciatus Picの成虫は林外への飛び出し距離が短いとされており,また,産卵に適した枯枝ができる林齢にならないと加害できないといわれている。このことから,被害の拡大は緩慢だと考えられているが,これまで,その実態については明らかにされていない。そのため,この虫の被害拡大防止を図るためには被害拡散の実態の解析を行う必要がある。
成果の内容・特徴1990~1992年の3年間,青森県碇が関村古懸の古懸神社境内にあるスギ林を中心とし,約10Km2に散在しているスギ45林分について,青森県林試と共同で被害拡散実態調査を行ってきた。内容は被害枝条率調査,成虫の新旧脱出孔・脱出予定孔・材入孔の有無,誘引器による捕獲試験等である。そして,被害の拡大が比較的理解しやすい東北本線と1976年竣工の東北白動車道に挟まれた地域(図1)について解析を行った。
この地域の被害の拡大源は約160年生のスギ林が残っている古懸神社と考えられる。そこで,古懸神社の隣接林分を含めて北西に散在するスギ7林分についてみると,被害枝条率,捕獲虫数は共に古懸神社から離れるに従い低く,少なくなっており,相関も非常に高い。また,被害の新旧が判定できる新旧脱出孔,脱出予定孔,材入孔からみても古懸神社に近い林分は被害が古く,遠い林分は被害が新しいことが分かる。古懸神社の南方向の林分も同様のことがいえそうであるが林分数が少ないため,参考程度としておく(表1)。
この地域の前生樹種の聞き取り調査や北東北でのとびくされ被害の見つかる林齢が20~25年であり,G林分の林齢(32年)と拡大源からの距離(770m)を考慮すると,このように散在するスギ林分のある地域での被害の拡大速度は年間最大でも70mで正確な数字は出せないが数十mと推定される。今後は他状況の林分についても調査を実行し,被害拡大防止
のための基礎資料を増やす必要がある。

具体的データ
図1
表1
研究担当者鎌田直人、五十嵐豊、東北支所昆虫研究室  槙原 寛
発行年度1992
収録データベース研究成果情報

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