高性能林業機械作業システムの構築

高性能林業機械作業システムの構築

タイトル高性能林業機械作業システムの構築
担当機関森林総合研究所
区分(部会名)森林
背景・ねらい我が国においては、要間伐林分の増加が著しくその作業の低コスト化が急務となっている。そのためには作業の機械化が不可欠であるが、作業時の省力化のみならず、作業後の林分の保全も同時に求められている。

本研究では、高性能林業機械の間伐作業において、作業時の効率的な機械稼働及び後年に渡る林分の保全を実現するため、作業条件ごとの作業効率を調べるとともに、作業による林分への影響を評価した。
成果の内容・特徴車両系(ハーベスタ+フォワーダ)及び架線系(タワーヤーダ+プロセッサ)の両システムを対象に個別に現地調査を行い、生産性と残存木の被吉(樹皮剥離)を調査した。車両系の伐採方式別では、列状が単木(林内自由走行)に比べて約1.8倍の生産性を示し、単木の林内自由走行は集材路上走行に比べて約1.5倍高い生産性となった。残存木の被害率についてみると、列状は単木(林内自由走行)の約半分となり、単木の集材路上走行は林内自由走行の約4割減となることが分かった(図1)。また、被害木の発生頻度は機械走行路から2m以内の位置に集中しており、調査地内の全体の被害率は、機械の走行する距離が長くなるほど急増することが分かった。架線系システムでも、列状は単木に比べて生産性が大きくなることが示された。この傾向は上・下荷とも同様であり、横取り作業で列状は単木の約1.5倍の生産性となる。残存木の被害については、列状の方が単木より被害が少なく、生産性と同様に列状伐採方式の有利性が証明された(図2)。また、ハーベスタの単独作業では、中径木の定性間伐において地形傾斜の違いによる被害への影響を調べた結果、急傾斜地の方が機械と残存木の接触頻度が高く、またその被害の程度も大きいことが明らかになった。

高性能機械作業による残存木への損傷が発生した場合を想定し、樹幹に人工的に損傷を与えた立木を対象にその修復過程と変色を調べた(図3)。その結果、傷の巻き込みに要する肥大成長、及び傷による変色の双方において、傷の直径あるいは傷の深さとの間に相関関係が得られた(図4、5)。これらの結果は、被害を受けた残存木の将来的な経済価値を予測するための基礎データとして用いることができる。

なお、本研究は森林総合研究所の指定研究(重点化領域)「高性能林業機械による間伐作業システムの構築」による。
具体的データ
図1
図2
図3
図4
図5
研究担当者井上 源基(生産技術部 システム計画研究室)、竹内 郁雄(生産技術部 植生制御研究室)、大川畑 修(生産技術部 林道研究室)、豊川 勝生(生産技術部 労働科学研究室)、広部 伸二(生産技術部 伐出機械研究室)
発行年度1998
収録データベース研究成果情報

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