システム収穫表LYCSの改善と列状間伐林への応用

システム収穫表LYCSの改善と列状間伐林への応用

タイトルシステム収穫表LYCSの改善と列状間伐林への応用
要約多様な密度管理に対応して収穫予想表を作成するプログラムLYCSについて、全国のスギ林に適用でき、表計算ソフト上で利用できるように改善した。さらに、LYCSを列状間伐にも応用し、間伐方式別の収穫予測量を比較した。
担当機関(独)森林総合研究所
区分(部会名)森林
背景・ねらい間伐と一口に言っても、一般的な下層間伐だけではなく、上層間伐や列状間伐などさまざまです。一方、人工林の中には間伐遅れの暗い林が見られるなど、林分の密度管理の実態が多様化しています。こうした多様な密度管理に対応した収穫予測手法として、システム収穫表の開発が広く行われてきました。その中でもLYCS(地域収穫表作成システム)は柔軟な構造を持った現実的な手法ですが、適用可能な樹種や地域が限られ、広くは利用されてはいませんでした。また、システム収穫表を含め、これまでの収穫予測手法は列状間伐には使えませんでした。
そこで、システム収穫表LYCSの普及を目指し、広い地域に適応できるように係数を求め、プログラムを使いやすく改善しました。さらに、LYCSを用いた列状間伐林の収穫予測手法を開発しました。
成果の内容・特徴

LYCSの係数の導出とプログラムの改善

システム収穫表LYCSの特徴は平均胸高直径の成長モデルであり、胸高直径と立木本数の関係によって直径成長率が加減されます。例えば、標準的な林分よりも平均直径が太いほど、本数が多いほど直径成長の速度が遅くなり、逆に標準的な林分よりも平均直径が細いほど、本数が少ないほど直径成長の速度が速くなります。
成長モデル式
成長モデル式
ここで、D:平均胸高直径(cm)、t:林齢(年)、N:本数密度(本/ha)、pqaK:係数。
ここで使われる係数は樹種や地域に応じて決まります。すでに対象地域の収穫表が作られている場合、それを係数の決定に利用できます。これにより全国計14地域のスギ林について係数を求め、これらの地域で利用できるようになりました、また、LYCSのプログラムを表計算ソフトExcelのマクロに移植し、使い勝手や図表の出力について改善しました。さらに下層間伐、上層間伐、一様間伐といった3種の間伐様式に対応できるようにしました。
このプログラムでは、初期値シートで地域の選択、植栽本数、主伐林齢、間伐回数、間伐後の本数、間伐方法等を指定し実行ボタンを押せば(図1)、指定した値に応じた収穫予想表や直径成長グラフや材積成長グラフ、直径階分布図が表示されます(図2)。出力された間伐木や主伐木の直径や材積などを参考にしながら、初期値を変え再計算することにより、目的に合った収穫表を作り出していくことができます。

列状間伐林の収穫予測手法

列状間伐では、間伐列と残存木の位置関係が直径の成長に影響します。そこで、密度変化が等しい林木の集まりをそれぞれブロックに分け、ブロック単位にLYCSを利用して収穫予測を行い、最後にそれらを合算するという方法を開発しました。
これを用いて、北関東・阿武隈地方スギを対象とし、定性的な下層間伐と列状間伐(1伐2残、1伐3残、2伐4残を基本型とする)について、間伐林齢と間伐回数、主伐本数が同じになるような密度管理計画を立て、収穫予想表を作成しました。
作成された表を比較したところ、間伐木の直径や材積は列状間伐型の方が大きく推定されますが、反対に主伐木の直径や材積については下層間伐型の方が大きく推定されました(図3)。しかし、いずれの間伐型でも主伐木・間伐木を合計した総材積の推定値はほとんど変わりませんでした。

本研究の一部は林業機械化協会受託、「林業・生産システムの類型化と多面的評価手法の開発」により行いました。
具体的データ
図1(上)、図2(下)
図3
研究担当者松本 光朗(林業経営・政策研究領域 林業システム研究室長)、田中 邦宏(関西支所 森林資源管理研究グループ)
発行年度2003
収録データベース研究成果情報

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