ニホンナシにおける新梢誘引による側芽中内生ホルモンの変動と花芽形成促進機構

ニホンナシにおける新梢誘引による側芽中内生ホルモンの変動と花芽形成促進機構

タイトルニホンナシにおける新梢誘引による側芽中内生ホルモンの変動と花芽形成促進機構
要約ニホンナシ「幸水」は、新梢停止期に新梢を傾ける(誘引)と、直立枝では花芽にならない新梢の基部の芽まで花芽になる。誘引処理により、側芽のオーキシン、ジベレリン含量は低下し、アブシジン酸、サイトカイニン含量は増加した。以上より、誘引による花芽形成促進に頂芽優勢の打破が関与することが示唆された。
担当機関果樹試験場 栽培部 栽培生理研究室
連絡先0298-38-6502
区分(部会名)果樹
専門栽培
研究対象果樹類
分類研究
背景・ねらい
 ニホンナシは花芽着生率に品種間差がある。なかでもわが国で第1の生産高の「幸水」は花芽着生率が低く、大きな問題となっているが、新梢停止期に新梢を傾けると花芽着生率が増加することが知られている。そこで、花芽着生制御に関わると考えられる植物ホルモンの新梢誘引における動態を調査し、花芽着生制御技術開発に資することを目的とした。
成果の内容・特徴
  1.  6月下旬に誘引処理を行った新梢について、側芽の花芽分化・形成期にあたる7月初旬から9月中旬にかけて、花芽分化程度の観察を行ったところ、(1)新梢の先端に近い芽は基部に近い芽より分化が早い、(2)先端に近い芽の分化程度は直立枝と誘引枝で差は認められなかったが、基部に近い芽は誘引処理によって分化が早まる、の2点が明らかになった(図1)。
  2.  側芽中のオーキシン(IAA)含量(図2)及びジベレリン(GA4/7)含量(図3)は、花芽分化・形成期間中、対照区より誘引区の方が低い。
  3.  側芽中のアブシジン酸含量(データ略)及びサイトカイニン(ゼアチン)含量(図4)は、花芽分化・形成期間中、対照区より誘引区の方が高い。
  4.  誘引によってIAAレベルが低下し、頂芽優勢のセカンドメッセンジャーとしての働きが示唆されているサイトカイニンが上昇する。このことから誘引による側芽の花芽形成促進に頂芽優勢打破が関与している可能性がある。
成果の活用面・留意点
 本知見は、ニホンナシの花芽形成の制御技術の開発に大きく役立つと期待される。花芽のつきやすい誘引処理を行った新梢での内生ホルモンの動態を、植物生長調節剤等を利用して外生的に再現した場合、花芽分化やその他生育に及ぼす影響を検討する必要がある。
具体的データ
(図1)
(図2)
(図3)
(図4)
予算区分特別研究(開花・結実生理)
研究期間1996~1996
発表論文ニホンナシの新梢に対する誘引処理が花芽の分化期の内生ホルモン含量に及ぼす影響、園芸学会雑誌、第65巻別冊2、1996。
発行年度1996
収録データベース研究成果情報

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