ダイズβ-1,3-エンドグルカナーゼ遺伝子の導入によるキウイフルーツ耐病性素材の作出

ダイズβ-1,3-エンドグルカナーゼ遺伝子の導入によるキウイフルーツ耐病性素材の作出

タイトルダイズβ-1,3-エンドグルカナーゼ遺伝子の導入によるキウイフルーツ耐病性素材の作出
要約アグロバクテリウム法を用いてダイズβ-1,3-エンドグルカナーゼ遺伝子を導入した形質転換キウイフルーツを作出した。得られた形質転換体に対し、灰色かび病菌を接種したところ、非形質転換体に比べて病斑が小さい個体が認められた。
担当機関果樹試験場 カキ ブドウ支場
連絡先0846-45-1260
区分(部会名)果樹
専門バイテク
研究対象果樹類
分類研究
背景・ねらい
 キウイフルーツでは果実軟腐病、灰色かび病などの各種糸状菌病による被害が問題になっており、抵抗性品種の育成が強く要望されている。β-1,3-エンドグルカナーゼは、植物の自己防御機構の一つとして働く酵素で、実際にこの酵素の遺伝子をタバコに導入すると数種の糸状菌病に対する抵抗性が強まったとの報告がある。そこで、キウイフルーツの糸状菌病に対する抵抗性を強化することを目的として、この遺伝子をキウイフルーツに導入した。
成果の内容・特徴
  1.  キウイフルーツにダイズのβ-1,3-エンドグルカナーゼ(EG)cDNAを導入した形質転換体が得られ、EGcDNAのキウイフルーツ植物体での発現が確認された(図1)。酵素活性を測定したところ、形質転換体のグルカナーゼ活性は最大で非形質転換体の約6倍に上昇した(図2)。
  2.  灰色かび病菌を用いて接種試験を行ったところ、どの形質転換体においても、病斑の形成されない個体はなく、強い抵抗性を示した個体はなかった。しかし、EG酵素活性の高い個体においては形成された病斑の大きさが非形質転換体に比べて小さい傾向が認められ、抵抗性が若干強化されたものと判断される(図3)。
成果の活用面・留意点
EG遺伝子の導入されたキウイフルーツ形質転換体は灰色かび病以外の糸状菌病に対しても効果が期待される。今後キウイフルーツで深刻な病害である果実軟腐病等の病害についても検討する必要がある。また、形質転換法を用いることによって、短期間での耐病性育種の可能性が示唆された。今後より強い耐病性を得るためには、導入する耐病性遺伝子の探索や導入遺伝子の発現を調節するプロモーターの開発等を進める必要がある。
具体的データ
(図1)
(図2)
(図3)
予算区分特別研究(バイテク育種)
研究期間1996~1996
発表論文ダイズβ-1,3-エンドグルカナーゼ遺伝子を導入したキウイフルーツ形質転換体の作出、育種学雑誌45(別2)、1995。
発行年度1996
収録データベース研究成果情報

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