カキ成木樹の非光合成器官における呼吸消費量

カキ成木樹の非光合成器官における呼吸消費量

タイトルカキ成木樹の非光合成器官における呼吸消費量
要約カキ成木樹の非光合成器官の呼吸量を測定した。生体重当り呼吸量は細根が最も高く、枝や根では径が小さいほど高い。全樹体の器官別呼吸量は、太枝、果実、1年枝、太根で総呼吸量の70% 以上を占めるが、この割合に対する温度の影響は小さい。
担当機関果樹試験場 カキ ブドウ支場
連絡先0846-45-4754
区分(部会名)果樹
専門生理
研究対象果樹類
分類研究
背景・ねらい
カキをはじめとして果樹は樹齢が高くなるにつれて、非光合成器官の占める割合が大きくなることが特徴の一つであり、光合成産物のかなりの量が呼吸によって消費されていることがうかがえる。したがって、高品質果実生産のためには非光合成器官の呼吸による光合成産物の消費量を明らかにして、光合成産物の効率的転流・分配のための樹体制御法を開発する必要がある。そこで、カキの成木樹における非光合成器官の呼吸量を測定し、地下部も含めた樹体単位の光合成産物の呼吸による消費量を推定した。
成果の内容・特徴
  1.  生体重当たりの呼吸量を比較すると、地上部では1年枝>小枝>中枝≒太枝>果実の順に高く、地下部では細根>小・中根≒太根の順であった。いずれの器官も温度の上昇により呼吸量は増大した。全器官の中で細根の呼吸速度が最も大であった(図1)。
  2.  枝及び根の径と生体重当たりの呼吸量の関連をみると、枝、根とも径が小さいほど呼吸量は高くなる傾向がみられた(図2)。
  3.  樹体当たりの器官別呼吸消費量は生体重によって異なり、総生体重の大きい器官の呼吸量が大であり、太枝、果実、1年枝、太根で非光合成器官の総呼吸量の 70% 以上を占めた(図3)。樹体の総呼吸量は温度によって大きく変化し、25℃から 32℃に上昇すると総呼吸量は約 40% 増加した。しかし、各器官の呼吸量が総呼吸量に占める割合はほぼ一定しており、温度による影響は少なかった(データ略)。
  4.  カキ「富有」の成木において、樹冠の光合成速度は相対照度等によって変化するが、光合成作用によって取り込まれた炭酸ガスは、特に高温時である夏秋季にはかなりの量が、非光合成器官の呼吸上昇によって消費され、物質生産への影響が大きいことが推定された。
成果の活用面・留意点
  1.  果実生産に効率のよい誘引、仕立て、光合成産物の分配構造改善のための知見として利用できる。
  2.  カキ成木における炭素収支の試算に利用可能である。
具体的データ
図1
図2
図3
予算区分経常
研究期間1998~1998
研究担当者児下佳子、森永邦久、薬師寺博
発表論文Respiratory carbon consumption in non-photosynthetic organs ofJapanese persimmon,‘Fuyu’. 園芸学会雑誌,67,(別1), 57, 1998.
発行年度1998
収録データベース研究成果情報

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