ウイロイド類の無毒化によるカンキツ「不知火」の樹勢強化と品質向上

ウイロイド類の無毒化によるカンキツ「不知火」の樹勢強化と品質向上

タイトルウイロイド類の無毒化によるカンキツ「不知火」の樹勢強化と品質向上
要約カンキツ「不知火」は、ウイロイド・ウイルス類を無毒化した樹、または無毒化後トリステザウイルス(CTV)弱毒系統M16A接種した樹を用いることにより、樹勢が強化され、減酸良好な、高品質果実が生産できる。
キーワードカンキツ、不知火、ウイロイド、無毒化、弱毒系統、樹勢強化、減酸
担当機関果樹試験場 カンキツ研究部 栽培生理研究室
連絡先0957-86-4497
区分(部会名)果樹
区分(部会名)九州沖縄農業
分類技術、普及
背景・ねらい「不知火」は、高品質果実が生産される反面、樹の生育不良や減酸不良な酸高果実が生産されるなどの問題が発生している。このことは「不知火」の初期繁殖が高接ぎ中心で行われたため、中間台が保毒していたウイロイド・ウイルス類が複合感染した結果と考えられる。そこで、「不知火」の初期生育および果実品質に及ぼす台木およびウイロイド類の影響について検討した。
成果の内容・特徴
  1. ポメロイ台およびカラタチ台の「不知火」無毒化樹は、ウイロイド・ウイルス類を複合保毒している樹に比べ、春枝長、春枝の着葉数、葉面積が大きく、着花数は少なく新梢発生数が多いため、樹高や樹冠容積の拡大が優れ、生育が著しく良好となる(表1、図1)。
  2. ポメロイ台およびカラタチ台の「不知火」無毒化樹の果実は、ウイロイド・ウイルス類を複合保毒している樹の果実に比べ、糖度はほとんど差がないものの、減酸が良好となる(表2)。
  3. 無毒化樹にCTV弱毒系統M16Aを接種しても生育および果実品質にはほとんど影響がない(表1、表2)。
成果の活用面・留意点
  1. ウイロイド・ウイルス類の無毒化「不知火」を高接ぎした場合には、高接ぎ樹からは採穂しない。
  2. 無毒化樹は樹勢が強勢となることから、加温ハウス栽培する場合にはウイロイド・ウイルス類保毒樹と異なる管理で樹勢を安定させる必要がある。
  3. ウイルス・ウイロイド類の無毒化「不知火」は、樹勢が強化され減酸良好なことから、スイングルシトルメロやシイクワシャーなどの強勢台木の利用は避け、カラタチ台を使用する。
具体的データ
表1 5年生「不知火」の生育に及ぼすウイロイド・ウイルス類および台木の影響
図1 「不知火」の樹高に及ぼすウイルス・ウイロイドおよび台木の影響
表2 「不知火」の果実品質に及ぼすウイロイド・ウイルス類および台木の影響
予算区分交付金
研究期間2000~2001
研究担当者高原利雄、緒方達志、伊藤隆男
発表論文高原ら (2002) 園学雑 71(別1):224.
発行年度2001
収録データベース研究成果情報

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