乳頭清拭装置の作業性と清拭効果

乳頭清拭装置の作業性と清拭効果

タイトル乳頭清拭装置の作業性と清拭効果
要約新たに開発された乳頭清拭装置の使用で、片手作業で乳頭側面・先端の確実な清拭が可能となり、両手を要する従来のタオル清拭と比べて作業姿勢が改善される。プレディッピングと組み合わせた機械清拭の効果は、一般に推奨される清拭方法と同等である。
キーワード搾乳、乳頭清拭、作業性、搾乳能率、除菌効果、生乳乳質
担当機関道立根釧農試 研究部 酪農施設科
乳質生理科
連絡先0153-72-2154
区分(部会名)北海道農業
分類技術、参考
背景・ねらい
    搾乳前の乳頭清拭は、生乳の衛生的乳質向上、乳頭表面細菌の除去による乳房炎感染リスク低減、及び、充分な搾乳前刺激を乳頭に与えることによる乳汁降下促進のため、不可欠な作業である。タオル等を用いた従来の乳頭清拭方法は、両手を必要とするため乳牛の体格により作業のしやすさや清拭効果に差が表れることが指摘されている。片手での清拭を目的に開発された乳頭清拭装置による、作業性向上効果と乳頭清拭効果を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 乳頭清拭装置は清拭カップと吸引ケース及び制御部で構成され、清拭カップ内部で正逆回転を繰り返す清拭ブラシ(1方向、1定時間の回転を1回とする)と洗浄液(二酸化塩素水2ppm)の作用で乳頭を清拭する装置である。清拭カップの重量は500gで、片手で支持できる。本装置での機械清拭は乳頭の側面・先端とも常にブラシが作用し、片手で確実に作業できる(写真1)。ブラシ正逆合計回転数が4~8回での機械清拭時間は1頭あたり30~34秒で、慣行の清拭時間が35秒以上の場合、搾乳能率向上の効果がある(表1)。
  2. 清拭前の乳頭付着細菌数は、「プレディッピング + 機械清拭」分房では101~106CFU/ml、「プレディッピング + 布タオル清拭」分房では102~106CFU/mlの範囲であり、個体間、分房間のばらつきが大きい。清拭後の細菌数及び残存率もばらつきは大きいが、側面部及び先端部における残存率の中央値は両群とも10-3と10-2の間にあり、機械清拭と布タオル清拭とで有意差はない(図1)。
  3. 機械清拭と布タオル清拭を実施したそれぞれの試験期間における出荷生乳中の生菌数は概ね300個から1000個/mlの範囲で、「プレディッピング +機械清拭」(機械清拭)と「プレディッピング + 布タオル清拭」(布タオル清拭)の生菌数の中央値及び耐熱菌数の中央値に有意差は認められない(表2)。また、乳房炎感染率の指標とされる体細胞30万を超える個体乳の割合にも、有意差は認められない(データ省略)。
成果の活用面・留意点
  1. 1頭あたりのタオル清拭に35秒以上を要する場合や、両手での清拭が困難な場合等に、乳頭清拭装置を導入する際の情報として活用できる。
  2. 乳頭で乾燥し、固着した汚れの除去効果を高めるため、プレディッピングを併用する。
  3. 乳頭以外の汚れ(ユニットに付着した糞等)を落とすため、紙タオルなどを別途用意する必要がある。
  4. 本装置は、平成21年度から市販化の予定である。
平成20年度北海道農業試験会議(成績会議)における課題名および判定区分
「乳頭清拭装置の作業性と清拭効果」(指導参考)
具体的データ
写真1
表1
図1
表2
予算区分受託(独法)
研究期間2007~2008
研究担当者吉田邦彦、平井綱雄、高橋雅信、平田晃(生研セ)、後藤裕(生研セ)
発行年度2008
収録データベース研究成果情報

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