ネギ葉枯病の発生生態と総合防除対策

ネギ葉枯病の発生生態と総合防除対策

タイトルネギ葉枯病の発生生態と総合防除対策
要約ネギ葉枯病は全道各地で発生し、黄色斑紋病斑の発生により著しい品質低下を招いている。登録薬剤の体系散布、発病の少ない品種「秀雅」の作付け、適期収穫により本病の被害を回避できる。
キーワードネギ葉枯病、黄色斑紋病斑、薬剤防除、Stemphylium vesicarium
担当機関道立道南農試 研究部 病虫科
連絡先0138-77-8116
区分(部会名)北海道農業
分類技術、普及
背景・ねらい
    近年北海道内の露地ネギ栽培地帯で、出荷部位である中心葉に黄色の病斑(黄色斑紋病斑)が発生し、品質の低下を招き問題となっている。本症状がネギ葉枯病の一症状であることが明らかとなったので、本病の発生実態・発生生態を解明するとともに、薬剤散布と耕種的な方法(品種選択、施肥改善、適期収穫)およびそれらを組み合わせた総合防除対策を確立する。
成果の内容・特徴
  1. 本病は全道のねぎ主要産地で広く発生している。病原菌の菌種構成割合はStemphylium  vesicarium 93.2%、S.botryosum 6.8%である。
  2. 斑点病斑(葉身中央部に発生する褐色病斑)は、主に外葉に発生し出荷葉にまで発生す ることはまれであり、本病斑の発生により減収することはない。また、本病斑は主にべ と病の病斑上に二次的に発生する。
  3. 黄色斑紋病斑は中心葉に発生するため、出荷調製により発生程度を軽減できず、発生 が直接被害につながる。
  4. 2007年の調査において、規格落ちとなる黄色斑紋病斑の指数3以上の株率が10%を 越えた圃場は、11圃場で全体の約1/3にあたる(表1)。黄色斑紋病斑の発病度は9月 中旬~10月上旬に最も高くなり(図1)、降雨および収穫遅れで発病が増加する。
  5. 黄色斑紋病斑の発生好適温度は15~20℃で、生育の進んだ株ほど発生しやすい。  分生子飛散数は8月以降増加し、9月にピークをむかえ、10月も高い水準で推移する。 本菌は、罹病葉上に形成した偽子のう殻で露地越冬が可能である。
  6. シメコナゾール・マンゼブ水和剤、TPN水和剤F、アゾキシストロビン水和剤Fが、 本病の斑点病斑および黄色斑紋病斑に対して防除効果を示す(表2)。また、べと病、さ び病に対する防除効果も表2に示す。
     上記3病害の発生を考慮して構築した薬剤散布体系(表3)により、黄色斑紋病斑の指数 3以上の株率を10%以下に抑制できる(表4)。
  7. 黄色斑紋病斑の発生程度には品種間差があり、「秀雅」の発生が最も少ない(表5)。
  8. 本病は窒素の増肥および土壌pHの低下により発病が助長される。
  9. 発生の少ない品種を選択し、薬剤の体系散布を行い、適期に収穫することで、黄色斑 紋病斑の発病度を対策を講じていない区の1/20程度(64.7→3.3)に軽減できる。
  10. 以上の結果より、ネギ葉枯病の防除対策を図2に示す。
成果の活用面・留意点
  1. シメコナゾール・マンゼブ水和剤の散布時期は各地域のべと病の発生時期を考慮して決定する。
平成20年度北海道農業試験会議(成績会議)における課題名および区分
「ネギ葉枯病の発生生態と総合防除対策」(普及推進)
具体的データ
表1
図1
表2
表3
表4・表5
図2
予算区分道費(一般)
研究期間2006~2008
研究担当者三澤知央
発表論文三澤(2008)北日本病害虫研報、59:46-49,50-55,56-59
発行年度2008
収録データベース研究成果情報

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