稲わら施用による水田土壌中の蓄積リン酸の有効化

稲わら施用による水田土壌中の蓄積リン酸の有効化

タイトル稲わら施用による水田土壌中の蓄積リン酸の有効化
要約水田への稲わら施用は、土壌還元をより発達させるため、土壌中の蓄積リン酸を有効化し、水稲による効率的な利用につながる。
担当機関新潟県農業総合研究所 基盤研究部
連絡先0258-35-0047
区分(部会名)北陸農業
専門環境保全
研究対象水稲
分類指導
背景・ねらいリン酸は有限の資源であるが、全国的に農耕地土壌への蓄積が問題となっており、土壌のリン酸肥沃度を考慮した合理的な施肥体系の確立が必要となっている。その一方で、乾田化や有機物の投入不足による水田土壌の地力低下が懸念されており、稲わら等の有機物の積極的な利用を進める必要がある。そこで、稲わらの施用が水田土壌に蓄積されたリン酸の有効化に及ぼす効果を検討した。
成果の内容・特徴
  1. 土壌の全リン酸に対する土壌リン酸供給力の割合は、稲わら施用区において化学肥料単用区よりも高くなる。有機態、無機態リン酸の比率は化学肥料単用区、稲わら施用区とも同程度であり、リン酸蓄積形態には違いがない(表1)。
  2. 室内湛水培養による水稲生育初期に相当する土壌リン酸供給力は、土壌還元の指標となる活性2価鉄の増加とともに増加するが、化学肥料単用区よりも稲わら施用区での増加が大きい。本田においても、有効態リン酸及び活性2価鉄は、化学肥料単用区よりも稲わら施用区で高く推移するが、中干し開始とともに低下する(図1、2)。
  3. 稲体のリン酸濃度は、特に生育の前半において、化学肥料単用区よりも稲わら施用区で高くなる。収穫期における稲体の窒素吸収量に対するリン酸吸収量の割合も、化学肥料単用区よりも稲わら施用区で高くなる(表2、3)。
  4. 以上、水田への稲わら施用が土壌の還元をより発達させ、土壌中に蓄積されたリン酸を有効化し、水稲のリン酸濃度の上昇及びリン酸吸収量の増加の要因となることから、稲わら施用は土壌中に蓄積されたリン酸の効率的な利用につながるものと考えられる。
成果の活用面・留意点
  1. 稲わらの施用はメタンガス及びワキの発生等を考慮して前年の初秋期に行うとともに、中干し、溝切りといった水管理を励行する。
  2. 試験には、細粒グライ土(保倉統)及び中粗粒灰色低地土(加茂統)の稲わら連用年数3年以上の圃場を用いた。
具体的データ
(表1)。
(図1、2)。
(表2、3)。
予算区分国補(土壌保全)、県単事業、県単経常
研究期間1984~1999
発表論文低湿重粘土水田におけるリン酸肥沃度に対する有機物連用の影響、日本土壌肥料学会関東支部大会、1995低湿重粘土水田におけるリン酸施用と土壌蓄積の検討、日本土壌肥料学会1996年度大会、1996
発行年度1997
収録データベース研究成果情報

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