水田に春季施用された堆きゅう肥の可給態窒素量の簡易推定法および肥効特性

水田に春季施用された堆きゅう肥の可給態窒素量の簡易推定法および肥効特性

タイトル水田に春季施用された堆きゅう肥の可給態窒素量の簡易推定法および肥効特性
要約30℃湛水培養窒素量から春季施用された堆きゅう肥の水稲に供給される窒素量を推定することができる。また、堆きゅう肥(牛糞)から無機化する窒素は最高分けつ期から出穂期にかけて多く吸収される。
担当機関富山県農業技術センター 農業試験場 土壌肥料課
連絡先0764-29-2111
区分(部会名)北陸農業
専門肥料
研究対象稲類
分類研究
背景・ねらい健康指向、環境に優しい稲づくりのために、堆きゅう肥を利用した有機米の取り組みが拡大している。しかし、堆きゅう肥そのものの品質をどのように把握するか、また土壌中で堆きゅう肥がどのように分解されて水稲に利用されているかについて、十分な知見はない。そこで、堆きゅう肥を春季施用した場合の水稲窒素吸収量の推定法及び堆肥から無機化する窒素の水稲に吸収される時期について検討する。
成果の内容・特徴
    堆きゅう肥の可給態窒素量は湛水条件下のインキュベーション法によって推定した。また肥効特性については、1/2000a ポットに堆きゅう肥や重窒素でラベルされた牛糞堆肥等を施用し、コシヒカリ1株を稚苗移植して、この水稲株の窒素吸収量を測定する方法で検討した。
  1. 牛糞堆肥(オガクズ及びモミガラ)、発酵鶏糞、有機質肥料を供試して、インキュベーション(土壌30g+生堆肥1g、30℃湛水)を行い、無機態窒素量(初期に含有する無機態窒素+無機化窒素)の推移をみると、ほぼ4週で最高値に達する(図1)。
  2. 堆きゅう肥を施用したポット試験において、インキュベーションの無機態窒素量(4週値・初期無機態窒素含む)と水稲の出穂期の窒素吸収量との間には正の相関関係が認められる(図2)。
    したがって堆きゅう肥の水稲に利用される可給態窒素量を推定するためにはインキュベ-ション4週値は有効である。
  3. 重窒素でラベルされたオガクズ牛糞堆肥から無機化する重窒素成分の水稲への利用率(インキュベ-ション4週値に対する)は、生育初期には小さいが、生育後期の出穂期に35%となって多く利用される。これは堆肥や土壌に固定される量が大きいためとみられる。また牛糞堆肥に混合した無機態窒素の利用率は生育初期から高くて水稲の生育初期から速やかに利用される(図3)。
  4. インキュベ-ション4週値の無機化量の全窒素に対する割合(無機化率)とC/N比との関係を、堆きゅう肥全体でみるとC/N比10付近から無機化率が高くなる傾向がみられる。しかし、個々の堆きゅう肥ではC/N比と関係が小さく、全窒素やC/N比から可給態窒素量を推定する際には誤差が大きくなる(図4)。
成果の活用面・留意点
  1. 水田に春施用された堆きゅう肥の肥効の推定に活用できる。
  2. 堆きゅう肥は、品質(水分、pH、T-C、T-N、無機態窒素等)の変異が大きく堆きゅう肥の施用にては予め品質を把握しておく必要がある。
具体的データ
(図1)
(図2)
(図3)
(図4)
予算区分国補(土壌保全)
研究期間1998~1998
発表論文なし
発行年度1998
収録データベース研究成果情報

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