成果の内容・特徴 | - 対象品種はP3732(RM107),タカネミドリ(RM117),DK789(RM125),P3160(RM130)である。
- 播種から絹糸抽出期までの有効積算温度は,基準温度を6℃または7℃としたとき各播種時期ごとの変動係数が最も少なかった。(表1)また,絹糸抽出期以降の有効積算温度と雌穂乾物率との相関係数も6℃または7℃以上の有効温度のとき最も大きかった(表2)。したがって,トウモロコシの生育ステージの進行における最適な有効温度は6~7℃以上と判断した。
- 絹糸抽出期を予測するために、1988年から1994年の毎年3期に播種して得たデータについて絹糸抽出機までの6℃以上の有効積算温度を求め,その平均値をもって各品種の絹糸抽出期とした。播種から絹糸抽出期までに要する有効積算温度はP3732が1016℃,タカネミドリが1086℃,DK789が1139℃,P3160が1180℃と推定された。
- 黄熟期を観察により決定することは一般に困難なことが多いので,雌穂乾物率が50%になる時点を黄熟期とし、絹糸抽出期以降の有効積算温度と雌穂乾物率の一次回帰式を求めた。6℃以上の有効積算温度をもとにした一次回帰式は,全品種のデータを併合して求めた統一の回帰式y=0.0651x+6.6591(y:雌穂乾物率,x:有効積算温度)を使用しても実用上差し支えない。この式によって求めた雌穂乾物率50%時の絹糸抽出期からの有効積算温度666℃に達した日をすべての品種の黄熟期予測日とする。
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