天敵ヒメハナカメムシ類への影響を考慮したナス害虫の薬剤防除法

天敵ヒメハナカメムシ類への影響を考慮したナス害虫の薬剤防除法

タイトル天敵ヒメハナカメムシ類への影響を考慮したナス害虫の薬剤防除法
要約ナス畑に生息するヒメハナカメムシ類に影響が少ない選択性殺虫剤を使用することで,これらの天敵を温存して,ミナミキイロアザミウマ及びワタアブラムシの発生を抑えることができた。
担当機関埼玉県園芸試験場
連絡先0480-21-1113
区分(部会名)関東東海農業
専門作物虫害
研究対象果菜類
分類普及
背景・ねらいワタアブラムシ及びミナミキイロアザミウマは薬剤の抵抗性が問題になっており,薬剤のみによる防除が困難になっている。そこで,ナスに発生する天敵の役割と害虫及び天敵に対する薬剤の影響を解析し,それに基いて天敵を温存する薬剤の防除体系を確立する。
成果の内容・特徴
  1. 選択性ダニ剤を散布した区(天敵保護区)では,ハダニ及び7月以降のワタアブラムシの発生を良く抑えた(第1,2図)。しかし,ミナミキイロアザミウマの問題が残った(図3)。
  2. 非選択性殺虫剤+選択性ダニ剤を散布した区(天敵排除区)では,ハダニは押さえたものの(図2),ワタアブラムシ及びミナミキイロアザミウマが無処理と比較して増えてしまった(第1,3図)。ミナミキイロアザミウマの有力な天敵であるハナカメムシは排除された(図5)。
  3. ミナミキイロアザミウマ対策のイミダクロプリド粒剤処理はハダニのリサージェンスを誘発したが,選択性のダニ剤を使用することによって回避できた(図4)。
  4. 無散布区では,5月下句から6月下旬にかけてはテントウムシ類が,6月から9月にかけてはヒメハナカメムシ(図5)およびクモなどが優占した。8月以降のワタアブラムシは押さえられたものの,ハダニに有力な天敵が無くそれらの発生を押さえることはできなかった(第1,2,3図)。
  5. 以上の結果から,表1に示した植え付け時の粒剤処理とヒメハナカメムジの影響が少ないダニ剤の月に1度の散布により,他の害虫の多発生を招くことなく良質な果実が収穫できた(図6)。これは,従来の防除法と比較して1/2~1/4の散布回数である。ミナミキイロアザミウマを良く防除できたのは,天敵が少ない6月まではイミダクロプリド粒剤の効果によって,その後はヒメハナカメムシ等の天敵が有効に働いていたためと考えらる。
成果の活用面・留意点残された問題点として,フキノメイガやハスモンヨトウに対する選択性の殺虫剤がない。その場合は発生場所のみへの部分散布とする。また,天敵に影響の強い殺虫剤の混合散布やローテーションへの組み込みは害虫の異常多発生を招く恐れがある。
具体的データ
図表
図表
図表
図表
図表
図表
図表
予算区分県単
研究期間1995~1995
発行年度1995
収録データベース研究成果情報

研究成果情報アクセスランキング

Copyright 2017 農林水産省 農林水産技術会議事務局筑波産学連携支援センター

Tsukuba Business-Academia Cooperation Support Center, Agriculture, Forestry and Fisheries Research Council Secretariat