水田から発生するメタン(温室効果ガス)の現況とその抑制方法

水田から発生するメタン(温室効果ガス)の現況とその抑制方法

タイトル水田から発生するメタン(温室効果ガス)の現況とその抑制方法
要約地球温暖化の原因とされるメタンの強グライ土水田からの発生量は、土性により異なり、有機物(稲ワラ)を施用すると2~5倍に増加する。この発生量を抑えるには、稲ワラの秋期土壌すき込みや堆肥化などを行うことが必要である。また、中干し後に間断かんがいを行うなどの水管理によって表層(作土層)を酸化状態に推移させると、メタン発生量を抑制できる。
担当機関千葉県農業試験場 地力保全研究室
連絡先043-291-9992
区分(部会名)関東東海農業
専門環境保全
研究対象水稲
分類指導
背景・ねらいメタンは、地球温暖化の原因とされる温室効果ガスの一つであり、特に農業生産活動に伴って発生する割合が高く、水田からは水稲栽培期間中に放出される。千葉県の水田土壌の特徴としては、グライ層が30cm以内に現れる強グライ土が約70%を占めていることがあげられる。そこで、こうした強グライ土水田から発生するメタンについて、土壌タイプ別および有機物(稲ワラ)施用別の発生量の現況と、有機物の施用方法および水管理方法の違いによる抑制方法について調査検討を行った。
成果の内容・特徴1 土壌タイプ別の発生量(土性別、水稲栽培期間中)
砂土、壌土、粘土および泥炭土の4種類の土壌タイプ別に、稲ワラの施用、無施用を組み合わせたメタンの発生量は、壌土≧泥炭土>砂土≧粘土となり、稲ワラの施用によりそれぞれ2~5倍に増加した(図1)。
2 有機物(稲ワラ)の施用方法および水管理方法別の発生量(水稲栽培期間中)
稲ワラの施用方法については、対照とした有機物無施用区のメタン発生量(13g/m2)を100とすると、秋にすき込む(稲ワラ500g/m2)と190であったが、堆肥化して春に施用すると160に減少した。しかし、生ワラを春にすき込むと470と大幅に増加した(図2、表1)。
また、秋にすき込む時に石灰窒素を混ぜたり、耕うん回数を増やすなどして稲ワラの分解を促進させると、水稲栽培初期から中干しまでのメタン発生量が2割ほど減少した(図省略)。
水稲栽培中の水管理方法としては、表面排水だけの中干し区のメタン発生量(12g/m2)を100とすると、中干し後に間断かんがいを行った水管理強化区では85に減少した(図3、表2)。
成果の活用面・留意点1 メタンは、還元条件下において絶対嫌気性菌であるメタン生成菌の活動によって生成されるので、表層(作土層)を酸化状態にするとメタン生成が抑制される。
2 水田土壌の肥沃度を高めるためには有機物の施用が不可欠であるが、メタンは水稲体を介して放出されるので、水稲の移植期までに有機物の分解を進めておくことが必要である。
3 メタンの発生量は、壌土や泥炭土のように還元状態になりやすく、かつ、易分解性の炭素量が多い土壌で増加する傾向がみられるので、土壌管理に留意する。
具体的データ
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予算区分土壌保全
研究期間1994~1995
発行年度1995
収録データベース研究成果情報

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