粘着トラップを用いたクワシロカイガラムシの防除適期の把握法

粘着トラップを用いたクワシロカイガラムシの防除適期の把握法

タイトル粘着トラップを用いたクワシロカイガラムシの防除適期の把握法
要約茶株内に粘着トラップを設置して、クワシロカイガラムシの歩行型幼虫を捕獲することにより、防除適期を知ることができる。
担当機関静岡県茶業試験場 病害虫研究室
連絡先0548-27-2885
区分(部会名)関東東海農業
専門作物害虫
研究対象工芸作物
分類普及
背景・ねらいクワシロカイガラムシは茶樹の枝、幹に寄生する重要害虫である。薬剤防除が行われているが、防除適期幅が非常にせまく、かつその時期の把握が難しいので、難防除害虫の一つにあげられている。
そこで、本虫のふ化直後の幼虫(歩行型幼虫)が風に乗って分散する性質を利用し、粘着トラップを用いて幼虫を捕獲し、ふ化のピーク日(防除適期の重要な指標となる)を知る方法を開発した。
成果の内容・特徴茶株内に吊り下げた粘着トラップには歩行型幼虫が捕獲された。その消長は一山型を示し、捕獲消長を記録することによって、ふ化のピーク日を知ることができた。また、従来の方法(茶樹の枝を採取し、実体顕微鏡下で雌成虫の産卵の有無、卵のふ化状況を調査する方法)と同じ結果が得られた(図1、図2)。
本法は従来の方法に比べ直接的かつ簡便に幼虫のふ化状況を知ることができる。なお、茶株内部に設置するため管理作業の障害にならない。
成果の活用面・留意点
  1. トラップの作り方
    10cm×10cmのプラスチック板の両面に透明粘着シートを両面テープで貼り付ける。吊り下げ金具として、事務用のクリップを用いると良い。トラップの色は問わない。なお、黄色を用いればチャノキイロアザミウマ、チャノミドリヒメヨコバイのモニタリング用トラップとしても使用できる。
  2. 設置場所
    防除を必要とする(カイガラムシの密度の高い)場所にトラップを設置してモニタリングする。
  3. 設置位置
    葉層下端から10~20cm下に吊り下げる(図3)。
  4. 設置方法
    茶樹の枝にS字に曲げた針金を掛け、それにトラップを吊り下げる。毎回同じ場所に設置するために、S字金具は茶樹上に残しておく(図3)。多発生のほ場ならトラップは1枚でも十分であるが、事故で紛失する例も希にあるので、複数枚設置したほうが安全である。
  5. 調査間隔
    毎日交換するのが望ましいが一日おきでも良い。毎回同時刻に交換する。
  6. 回収
    トラップをS金具からはずし、両面を家庭用のラップ(15cm幅のもの)で巻いて扱いやすくする。別に用意した新しいトラップの裏紙はがしてS字金具に吊り下げる。
  7. 捕獲幼虫のカウント
    幼虫は微小であるので、実体顕微鏡下で捕獲虫数を数える。面によって捕獲虫数が大きく異なることが多いので、必ず両面の虫数をカウントする。なお、形態が類似したツノロウムシの幼虫が捕獲されることもあるが、これはより大型で、尾端が割れているので区別できる。
  8. 防除時期の決定
    防除適期はピークから1~5日の間である。なお、第二世代以降では幼虫のふ化期間が長くなるので、この防除適期の考え方は当てはまらない場合もある。
具体的データ
図表
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予算区分県単
研究期間1996~1996
発行年度1996
収録データベース研究成果情報

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