紫外微分スペクトルによる土壌可給態窒素量の迅速評価法

紫外微分スペクトルによる土壌可給態窒素量の迅速評価法

タイトル紫外微分スペクトルによる土壌可給態窒素量の迅速評価法
要約中性リン酸緩衝液抽出法による抽出液の紫外2次微分スペクトルを用いることにより、各種土壌の可給態窒素量がより高精度に迅速評価できる。
担当機関長野県農事試験場 土壌肥料部
連絡先026-246-2411
区分(部会名)関東東海農業
専門土壌
研究対象稲類
分類指導
背景・ねらい土壌可給態窒素量は、土壌肥沃度の重要な指標であり、その迅速評価法については、従来から多くの試みがなされている。中でも、中性リン酸緩衝液による抽出液の吸光度から推 定する方法は、その簡易・迅速性から土壌診断に有用であると考えられる。そこで、データの解析が容易に行えるパソコン制御型の分光光度計を用い、紫外部における測定波長、微分スペクトル法等の多波長情報処理、及び土壌類型が推定精度に与える影響について検討した。
成果の内容・特徴
  1. 方法
    抽出操作:風乾細土20gに、pH7.0リン酸緩衝液を100ml加え、20℃にて1時間振とう後、遠心分離(10,000rpm)し、乾燥ろ紙でろ過し、抽出液とした。また、抽出液を蒸留水で10倍に希釈し、抽出剤も同様に希釈し対照とした。
    分光光度計は、パソコン制御の走査型のものを用いた。吸収スペクトルの測定条件は、スキャンスピード:低速、サンプリングピッチ:0.5nm、波長範囲:200~300nmとした。
    分光光度計付属のソフトにより、原スペクトルを2次微分スペクトルに変換(微分波長差5nm程度)し、1nm間隔のスペクトルデータをテキストファイルに変換し、それを表計算ソフトに読み込み、可給態窒素量(風乾土、30℃、4週間湛水培養)との関係を調べた。
  2. 原スペクトルデータを用いた場合、200nmで最も相関が高かった(r=0.659***)が、土壌類型別には黒ボク土での相関が非常に低く(r=0.442)、これが全体の相関を低下させていると判断された。これに対し、2次微分スペクトルを用いた場合、土壌の影響を受けにくく推定精度が向上した。(表1)
  3. 2次微分スペクトルでは、数個のピークやトラフが見られ、原スペクトルでは認めることのできない微細な変化を知ることが可能であった。(図1)
  4. 各波長における2次微分値と可給態窒素量との相関関係(相関スペクトル)は、原スペクトルデータの場合と異なり、黒ボク土と非黒ボク土でほぼ同様の相関関係を示し、黒ボク土での推定精度が明らかに向上した。243nmにおける相関(r=0.845***)が最も高く、土壌類型別に検量線を作る必要性が認められなかった。 (図2、図3、表1)
成果の活用面・留意点
  1. 検量線は、使用する分光光度計で作成したものを用いる。
  2. セルは石英のマッチングセルを用いる。
  3. スペクトルの測定に当たっては、できるだけS/N比の高い測定条件を採用する。

具体的データ
図表
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予算区分地域水田農業、環境保全型栽培基準設定調査事業
研究期間1996~1996
発行年度1996
収録データベース研究成果情報

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