キャベツのセル成型苗に新たに発生した黒すす病の種子消毒による防除

キャベツのセル成型苗に新たに発生した黒すす病の種子消毒による防除

タイトルキャベツのセル成型苗に新たに発生した黒すす病の種子消毒による防除
要約県内の野菜共同育苗施設において、キャベツのセル成型苗に黒すす病が発生した。発生の原因は種子伝染である。保菌種子の温湯処理は殺菌効果が高く、乾熱処理は殺菌効果が劣る。
担当機関三重県農業技術センター 生産環境部 病虫害担当
連絡先05984-2-6360
区分(部会名)関東東海農業
専門作物病害
研究対象葉茎菜類
分類研究
背景・ねらい県内では野菜共同育苗施設におけるセル成型苗の生産供給が増えつつある。平成9年8~9月にかけて、同施設においてキャベツのセル成型苗の胚軸部が褐変する症状が認められた。発病した苗は商品価値がなく大きな被害となったため、その原因および防除対策を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 病徴:苗の多くは胚軸部に黒褐色の亀裂褐変を生じる。まれに本葉に発生すると、1~数cmの大型の円形~不整形の病斑が形成される。育苗期におけるその症状については記載がない。また、保菌種子は表皮を剥ぐと黒褐色に変色しており、黒色菌糸が確認される。
  2. 分離菌の同定:苗の罹病部および保菌種子からAlternaria属菌が分離された。菌糸の生育適温は25~27℃、分生胞子は褐色、棍棒状で、縦横に隔壁を有し、連鎖する。分生胞子の大きさは20~50μm×10~17.5μm、その内ビーク長は0~5μmである。これらのことから分離菌をAlternaria brassicicola (Schweinitz) Wiltshireと同定した(表1、図1)。
  3. 分離菌の病原性:結球初期の「松波」を供試し、分生胞子懸濁液を噴霧接種(2×105個/ml)したところ、葉に明瞭な病斑が再現され、罹病部から同一菌が再分離された。
  4. 種子の保菌:「松波」、「若峰」、「錦秋」、「味春」、「石井中早生」の市販種子から黒すす病菌を確認した。
  5. 保菌種子の消毒:温湯処理は55℃の10~25分間の浸漬で殺菌効果が高く、乾熱処理は70℃の3~7日間と80℃の1~3日間では殺菌効果が劣り、100℃の1~3日間では種子が死滅した。また、ポリオキシン水溶剤(未登録)の20倍液・20分間浸漬処理の殺菌効果は高い(表2)。
成果の活用面・留意点
  1. 種子伝染が主な原因であることから、大規模共同育苗施設において利用できる環境保全型の種子消毒技術および育苗管理技術を開発する必要がある。
  2. 温湯処理の防除効果は高いが、種子が膨潤するため、作業性に問題がある。
具体的データ
図表
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予算区分県単
研究期間1997~1997
発行年度1997
収録データベース研究成果情報

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