タイトル | 濃尾地域における農業用パイプラインの流速係数C値の経年変化 |
要約 | 愛知県宮田用水地区で農業用パイプラインの通水能力を測定して流速係数C値を求めると、コンクリート管では40%、合成樹脂管では30%減少し、経年劣化が認められる。これは、用水不足を引起こす一要因と考える。 |
担当機関 | 愛知県農業総合試験場 経営環境部 農業土木研究室 |
連絡先 | 0561-62-0085 |
区分(部会名) | 関東東海農業 |
専門 | 基幹施設 |
研究対象 | 農業工学 |
分類 | 行政 |
背景・ねらい | 農業用水路は、水資源の有効利用、水管理の合理化、水質保全のため幹線から末端圃場までパイプライン化が進んでいるが、工事施工後に計画通りの通水ができないため用水不足を生じていることが経験されている。そこで、その原因を把握するために既設のパイプラインの送水状況を調査し、今後のパイプライン設計のための基礎資料を提示する。
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成果の内容・特徴 | - 農業用パイプラインの動水位の現場での測定は、パイプライン上の既設のステッキ型通知スタンドを利用して行い、透明管や透明ビニールホースを取り付けて水位を直接読み取る方法、紐を付けた軟式ボールを挿入して紐の挿入量から計測する方法による(図1)。
- 主たる施工年から試験測定日までの経年と流速係数C値との関係をプロットしたものが図2~3であり、その内5ヶ所については同一場所での計測値であるが、矢印で記したように何れもC値の明白な経年劣化を示している。
- コンクリート管の設計時の流速係数はC=130を用いるが、施工後10年以降に急激な劣化を生じ、コンクリート施設の耐用とされる30年頃にはC=80となっている(図2)。
- 塩ビ管やFRPM管等での合成樹脂管では、当初のC=150は施工直後から急激に劣化し、その後110前後となっている(図3)。機能回復の一方法として、塩ビ配管された支線の末端2ヶ所の排泥口を開けた(表1の試験No.4~5で行った)ところ、排泥作業の前後のC値は約3%(117/114)もの増加が認められた。しかし、当地域のような低平地帯では十分に行えないのが実状である。
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成果の活用面・留意点 | 土地改良事業における農業用パイプラインを設計している事業担当者に対して有益な情報である。しかし、根本的には本事例以外での全国的なデータを収集して設計基準を見直す必要があり、そのためには強力な行政サイドでの調査指導が必要である。
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具体的データ |
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予算区分 | 単県 |
研究期間 | 1997~1998 |
発行年度 | 1997 |
収録データベース | 研究成果情報 |