牛赤血球をモデル膜とした各種糖類の細胞膜凍結保護効果の判定

牛赤血球をモデル膜とした各種糖類の細胞膜凍結保護効果の判定

タイトル牛赤血球をモデル膜とした各種糖類の細胞膜凍結保護効果の判定
要約牛初期胚を、エチレングリコールを耐凍剤として凍結保存する場合の、各種糖類の添加効果の判定基準を得るため、牛赤血球をモデル膜として用い、凍結融解後の溶血量から糖類の細胞膜保護効果を推定したところ、ラクトースが高い細胞膜保護効果を示した。
担当機関静岡県畜産試験場 繁殖工学スタッフ
連絡先0544-52-0146
区分(部会名)関東東海農業
専門繁殖
研究対象家畜類
分類研究
背景・ねらい細胞の低温障害のメカニズム及び細胞膜保護作用があるといわれている物質の作用機序を明らかにし、牛胚の凍結保存への応用を目的に、細胞膜保護物質の生体膜に対する効果を検討するために、牛赤血球を用いた細胞膜保護物質の間接的効果判定法について検討した。
成果の内容・特徴
  1. 方法
    黒毛和種から血液を採取し、3回洗浄した赤血球を試験に供した。凍結保存液0.9mlに血球0.1mlを加え、0.25mlのプラスチックストローに吸引して、10~20分平衡後、牛胚を凍結保存する方法で凍結した。温湯で融解したサンプルは凍結保存液で10倍希釈し、10000rpm、5min遠心して上清の溶血度を測定した。溶血度の判定は、試験サンプルをシアン化カリウムを含むヘモグロビン発色試薬と混合し、マイクロプレートリーダーを用いて540nmで吸光度を測定することで行った。D-PBSに0.4%BSAを加えたものを基礎液とし、試験1では基礎液のみ(Control)、10%エチレングリコール添加区(EG)、さらにシュークロース(EG+Su)またはトレハロース(EG+Tr)を各0.1M添加した区の溶血度を比較した。試験2では10%エチレングリコールを加えた区(EG)にトレハロース(EG+Tr)、アラビノース(EG+Ar)、キシロース(EG+Xy)、グルコース(EG+Gl)、マンノース(EG+Mn)、ガラクトース(EG+Ga)、フラクトース(EG+Fr)、マルトース(EG+Ma)、ラクトース(EG+La)を各々0.1M添加して、それぞれ溶血度を比較した。
  2. 結果
    • 試験1ではEG区で45.5%の溶血度であったのに比べて、EG+Su区とEG+Tr区では25.0%、23.1%の溶血度となり、有意に溶血阻止効果が認められた。
    • 試験2ではどの糖を添加した場合も有意な溶血阻止効果が認められたが、ラクトースを添加した区で最も効果が高かった。
    • 以上の結果から、今回試験に用いた糖は凍結融解処理に対する細胞膜保護効果を有しており、中でもラクトースは牛胚凍結保存液に添加することによって優れた細胞膜保護作用を示す可能性が示唆された。
成果の活用面・留意点
  1. 胚細胞のモデルとして、赤血球を用いた試験であり、実証試験が必要である。
  2. 各糖の最適濃度および凍結プログラムについては検討の必要がある。
具体的データ
図表
図表
予算区分県単
研究期間1997~1998
発行年度1998
収録データベース研究成果情報

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