水稲不耕起直播を導入した大規模水稲作経営の展開方向

水稲不耕起直播を導入した大規模水稲作経営の展開方向

タイトル水稲不耕起直播を導入した大規模水稲作経営の展開方向
要約水稲不耕起直播技術の特徴は、移植より春作業を大幅に省力化でき、かつ収穫期をずらせることである。移植と直播による経営展開方向は、移植のみ水稲作の約1.7倍の規模拡大と、春期労働を活用できる作物導入による複合化である。
担当機関茨城県農業総合センター農業研究所 経営技術研究室
連絡先029-239-7210
区分(部会名)関東東海農業
専門経営
研究対象水稲
分類指導
背景・ねらい水稲の不耕起直播技術は春の労働ピーク低減が可能である。この技術の経営的特徴を活用した経営の確立に向けての展開方向及び技術導入条件等を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 不耕起直播の特徴は春の育苗、代かき、田植え作業を省略でき、農繁期労働時間を移植の約40%に省力できることと、収穫適期が移植とずれることである。不耕起直播の単収は技術の確立によって移植とほぼ同水準となった。二つの技術は単位面積当たり投入資材量や労働量のちがいから利益係数に特徴がみられる。移植が土地収益性追求型技術であるのに対し、不耕起直播は労働収益性追求型技術であるといえる(表1、表2)。
  2. 不耕起直播の導入することで、従来の移植のみの限界から多様な展開が可能となる。主要な展開方向は、移植と不耕起直播を組合わせた稲作規模拡大と、不耕起直播の高い労働収益性と省力性とを基盤とした複合化の二つである(図表略)。
  3. 規模拡大方向での最適組み合わせを二つのモデルをもとに、LP法により求めた。作業従事者 4人での移植と直播の組合わせは、まず移植の作付限界となる33.6haまで移植のみの作付けを行い、それ以上の規模では不耕起直播をとりいれ、57.9haで作付規模限界に達する。この段階での不耕起直播適用率は約80%、利益は21,868千円である。
  4. 不耕起直播は、約44ha規模でも春の屋外作業可能時間数の約半分を複合化に向けることができる。ただしこの方向は労働収益性追求型展開であるために、移植の同規模の稲作と比べ、最大約 164万円利益が減少する。従って複合化では、移植中心型の稲作の利益を上回ることが経済的条件となる。このため導入しようとする作物には、春労働 1時間当たり2.9~3.4千円以上の利益のあることが求められる。こうした条件を満たすことができる土地利用型作物としては春キャベツ、加工タマネギ等があげられる(表3、表4)。
成果の活用面・留意点
  1. 経営主が不耕起直播のもつ性格と経営展開可能性を把握し、今後の経営計画をたてるうえでの参考とする。
  2. 作業可能時間は茨城県の数値を用いているので、気象条件の違いに留意する。
  3. 不耕起直播技術は減水深の大きな田や粘質土壌の田には適用できないことに注意する。
具体的データ
図表
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予算区分地域基幹
研究期間1998~1998
発行年度1998
収録データベース研究成果情報

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