近赤外分光法によるメロン測定における異常スペクトル除去

近赤外分光法によるメロン測定における異常スペクトル除去

タイトル近赤外分光法によるメロン測定における異常スペクトル除去
要約近赤外分光法を用いたメロンの非破壊品質測定において、果実条件あるいは機器の状態等に起因する異常スペクトル(Outlier)を主成分スコア等を用いて除去することにより、それらによるメロン糖度の推定精度の低下を抑えることができる。
担当機関愛知県農業総合試験場 経営環境部 流通利用研究室
連絡先0561-62-0085
区分(部会名)関東東海農業
専門食品品質
研究対象果菜類
分類研究
背景・ねらい近赤外分光法によって農産物の品質測定を行う時、機器や試料の状態によって、試料のスペクトルが他の多くの試料と大きく異なることがある。例えばメロンを花痕部の拡散反射スペクトルで測る場合、花痕部のコルク層が極端に厚い場合等、スペクトルパターンが他と大きく異なり、内容成分の推定結果に影響することになる。スペクトルに2次微分処理を行う等の方法で、解決されることが多かったが、それでも影響を除去できないこともあった。そこで、予め異常スペクトルを特定し、検量式の精度低下を抑えることを検討する。
成果の内容・特徴内容成分の推定精度に著しい影響を及ぼす異常スペクトル(Outlier、極端に他と異なるスペクトル)が含まれている場合、従来はスペクトルを肉眼観察して取り除いていた。"TheUnscrambler"等のケモメトリックスのソフトウェアを用いて以下の手続きを採れば、より系統的にそれらを除去することができる。
  1. 先づ、試料全体についてPCR(主成分回帰)を行う。
  2. 作成した検量線及びその推定結果を見る際に、主成分のスコアースコアプロット、
    leverage(梃子の意味、モデルの中心からの各試料の距離でこれが極端に大きいとモデルの中心がずれ、推定精度に影響を及ぼす)及び一定数の主成分抽出後の残さも確認する(図1、図2)。機器や試料の状態によるスペクトルの異常は主として第1主成分と第2主成分に反映されるので、第2主成分までで済む場合が多い。
  3. スコアースコアプロット上で他の試料から離れており、かつleverageの大きい試料、及び極端に残さの大きい試料(図1、図2において四角で囲んだ試料)を除く。異常スペクトルを除いた結果、推定精度は約 0.15 Brix改善された(表1、図3、図4)。この方法で異常スペクトルと判定された試料は、図3中では回帰直線に近い位置に分布しており、糖度の推定結果からは異常スペクトルと判別することができない。
  4. スペクトルに起因するところの推定精度に影響する問題はこの方法で除去できる。一方、図3、図4の中で丸で囲んだ試料も Outlierと考えられるが、スペクトル面で特に異常はなく、屈折計によるBrix測定時の誤りの可能性もある。さらに事例を集めた検討が必要である。
  5. 検量式のモデルを当てはめて未知試料を測定する時に、検量式作成時の主成分スコア等と比較することにより異常スペクトルを検出し、再測定の措置が取れる。
成果の活用面・留意点スペクトル全体の平均と対象スペクトルを比較する等の方法で、具体的にどのような異常
なのか確認しておく必要がある。
具体的データ
図表
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予算区分地域重要新技術
研究期間1998~1998
発行年度1998
収録データベース研究成果情報

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