ツマグロヨコバイ耐虫性を持つ水稲良食味複合抵抗性品種「大地の風」

ツマグロヨコバイ耐虫性を持つ水稲良食味複合抵抗性品種「大地の風」

タイトルツマグロヨコバイ耐虫性を持つ水稲良食味複合抵抗性品種「大地の風」
要約水稲「大地の風」は、多系交配によってツマグロヨコバイ耐虫性、縞葉枯病抵抗性、穂いもち抵抗性を導入した中生の複合抵抗性品種である。良質、多収に加え、炊飯米は粘りがあり極く良食味である。また、太茎・強稈、穂発芽性「難」で栽培しやすい。平たん部向き奨励品種として平成12年愛知県で採用予定である。
担当機関愛知県農業総合試験場 作物研究所 育種研究室
連絡先0561-62-0085
区分(部会名)関東東海農業
専門育種
研究対象稲類
分類普及
背景・ねらい愛知農総試では昭和30年代末からイネ縞葉枯病抵抗性の導入を開始し、イネ萎縮病についても県下での被害発生を契機に昭和40年代半ばから抵抗性育種を試みてきた。このツマグロヨコバイ耐虫性、縞葉枯病抵抗性、穂いもち抵抗性を多系交配によって同一系統に導入し、低農薬栽培が可能な良質、良食味で栽培安定性の高い複合抵抗性品種の育成を目標とした。
成果の内容・特徴
  1. 複合抵抗性品種育成を目標として、昭和61年に「育D759(愛知80号)」を母本、「あ系426(あかね空)」を父本として交配を開始した。その後「愛知77号」、「月の光」、「愛知78号(葵の風)」、「あ系558(祭り晴)」をそれぞれ母本とし、BnF1を父本として連続戻し交配した。平成元年に交配を完了し、平成5年から「愛知96号」の地方系統名を付して試験を行い、平成11年の世代はF11である。
  2. 「葵の風」に比べ、早植栽培では出穂期が同じで、成熟期が1日遅い。普通期栽培では出穂期、成熟期が1日早い。愛知県の熟期区分では「中生種」である(表1、以下同)。
  3. 稈長は「葵の風」並みの中稈であるが、穂長は 0.4~1.1cm長い。穂数は「葵の風」並みかやや多く、草型は偏穂重型に属する。
  4. 稈の太さはやや太茎で、耐倒伏性は「強」である。穂発芽性は「難」である。
  5. 葉いもち抵抗性は「中」だが、穂いもちは「強」で、縞葉枯病には「葵の風」と同様の抵抗性を持つ。更に、ツマグロヨコバイ耐虫性遺伝子Grh3(t)(萎縮病抵抗性)を持ち、白葉枯病は「やや強」である。
  6. 玄米千粒重は「葵の風」より1g程度大きく中粒である。外観品質は、腹白・乳白米の発生が少なく良質である。
  7. 収量は「葵の風」や「あいちのかおり」より多収である。
  8. 食味は、粘りがあり極めて良い。
成果の活用面・留意点
  1. 温暖地平たん部の早植~普通期栽培地帯に適する。愛知県の平たん部を対象に奨励品種として採用予定であり、普及予定面積は1,000haである。
  2. 病害虫複合抵抗性品種として減農薬栽培に向き、やや太茎、強稈で倒伏しにくいが、多肥や密植を避けた健全栽培を前提とする。
  3. ニカメイガや紋枯病の多発地では適正防除が必要である。
具体的データ
図表
予算区分県単及び国補(奨決事業)
研究期間1999~1999
発行年度1999
収録データベース研究成果情報

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