豚ロース肉に対する消費者嗜好の動向解析と肉質改善方向の検討

豚ロース肉に対する消費者嗜好の動向解析と肉質改善方向の検討

タイトル豚ロース肉に対する消費者嗜好の動向解析と肉質改善方向の検討
要約豚ロース肉に対する消費者の嗜好を"視覚を通したおいしさ"を規準として調べるため、肉断面積、肉色及びマーブリング等に関して聞き取り調査を行なう。更に三元交雑豚肉の品質規格による評価成績とアンケート結果を対比して、肉質改善の方向について検討する。その結果、供試豚肉は概ね消費者嗜好の範囲にあることが判明する。
担当機関岐阜県畜産試験場養豚部
連絡先0574-25-2185
区分(部会名)関東東海農業
専門食品品質
研究対象
分類研究
背景・ねらい豚肉に対する消費者ニーズの多様化に対応するため、その動向を的確に把握した流通価値の高い豚肉の生産が求められている。そこで、豚肉に対する消費者の購買欲を増す要因として"視覚を通したおいしさ"に着目した。今回はロース肉の断面積、肉色及び霜降り(筋束間及び筋細胞間への脂肪細胞の沈着:マーブリング)の3点に絞って視覚的嗜好の意識調査を行い、試験と殺した三元交雑豚のロース肉の品質データと対比して、消費者に好まれる品質の実態と今後の肉質改善の方向について検討する。
成果の内容・特徴
  1. 研究材料および方法:供試豚は岐阜県推奨組合せの三元交雑豚(WLD)の8頭で、産肉能力検定用飼料によって体重105Kgまで飼育した後、と殺した。その1日後に、日格協の豚部分肉取引規格ロースの断面積とマーブリングを調査するため、ロース肉を4等分した(図1)。また、これらについて4℃でのブロック保存における肉色変化をみるため、と殺後1、3、5、7日目に肉色を判定した。ロース断面積はデジタイザーで計測し、肉色は「農水省畜試式豚標準肉色(P)」で判定した。また、マーブリングは「USA式スコア(M)」に準拠して判定した。視覚による嗜好調査は、岐阜県在住の12~55歳の123名(内訳は飛騨地方 59名:女性24、男性35と美濃地方64名:女性31、男性33)を対象に「家庭で、1週間に1回豚ロースステーキを食べる」という設定で、購買したいロース断面積の大きさ、肉色、マーブリングの程度について聞き取りを行った(表1)。
  2. 供試豚ロース肉の品質:ロース断面積は、ロース全長の80%においてスコア3と評価される40cm2以上であった。肉色は、熟成経過に伴いスコア2から3へ推移する傾向を示した。また、マーブリングは適度と評価されるスコア3から4の範囲に多い傾向を示した(表2)。
  3. 消費者の豚ロース嗜好に関する調査結果:ロース断面積は、スコア3~5(40~50cm2)が好まれ、特に、飛弾・美濃地方の男性と飛騨地方の女性がスコア4~5(45~50cm2以上)の大きさを好む傾向があった。一方、肉色はスコア2~4が好まれ、中でも飛騨地方の女性はスコア2のピンク系の肉色を望む傾向がみられた。また、マーブリングは全体の85%がスコア2~4を好むが、僅かに霜降りのあるスコア1の嗜好も12%あった。性別では、男性の70%がスコア3~5を好んだ(表3)。
  4. 供試豚ロースの品質評価と改善の方向:供試豚のロース断面積については、消費者の嗜好と一致する傾向にあり、今後とも現状の品質維持につとめる。一方、供試豚の肉色は、調査結果から見て良好な範囲にあったが、更に消費動向に対応するため、僅かに紅色へ濃くする必要があると思われる。また、マーブリングについては、消費者の多くが適度の霜降りを好む傾向にあるのに対し、供試肉は全般的に良好な霜降りを呈したことから、概ね現状維持の方向で良いと思われる(表4)。なお、参考までに、供試豚肉の平均粗脂肪含量は3.8±1.6%であったが、この値は食味を損なわない適性な含量と考えられる。
成果の活用面・留意点聞き取り調査から得られた消費者ニーズを踏まえて、地域性や性別等に配慮した流通のあり方を検討する必要がある。
具体的データ
図表
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予算区分県単
研究期間1999~1999
発行年度1999
収録データベース研究成果情報

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