強アルカリ消石灰上澄み液による蚕ウイルス病の消毒

強アルカリ消石灰上澄み液による蚕ウイルス病の消毒

タイトル強アルカリ消石灰上澄み液による蚕ウイルス病の消毒
要約pH12.4の消石灰上澄み液は、核多角体病ウイルス(NPV)に対しては30分以上、細胞質多角体病ウイルス(CPV)に対しては10分以上の処理時間で完全に不活化する。また、上澄み液の消毒効果はpH試験紙で確認できる。
担当機関群馬県蚕業試験場 蚕種飼料部 蚕種蚕病課
連絡先027-251-5145
区分(部会名)関東東海農業
専門診断予防
研究対象
分類普及
背景・ねらい大規模超多回育養蚕農家では、重複蚕期でのホルマリン希釈液による徹底消毒が困難な場面がある。さらに、病原は飼育期間中の作業者の移動により拡散され、飼育通路や作業場の床面が汚染源となる。そこで、人体や蚕に影響が無く、飼育中にも使用が可能な消毒剤として、安価な消石灰を利用した、消石灰上澄み液の効率的かつ確実な消毒技術を確立する。
成果の内容・特徴
  1. 消石灰上澄み液(pH12.4)は、NPVに対しては30分以上の処理時間で完全に不活化する。また、CPVに対しては10分以上の処理時間で完全に不活化する。両ウイルスを比較するとCPVが短時間で不活化されることから消石灰上澄み液に対してはCPVの方が不活化されやすい(図1)。
  2. 消石灰上澄み液の60分処理で蚕ウイルス病原を完全に不活化するpH値は、NPVはpH12.3以上であり、CPVはpH12.1以上である(図2)。
  3. 消石灰は、種類によって上澄み液調製後のpH値に差があり、消毒効果に差が生じる。しかし、調整後の時間の経過及び攪拌の繰り返しによりpH値が上昇し、不活化効果も上昇する(図3)。
  4. 消石灰上澄み液は、調製後42日でも蚕ウイルス病原を不活化できるpH値を示すため、調整後も長期間安定して消毒剤として利用できる(表1)。
  5. 消石灰上澄み液使用後の乳濁液は、再度希釈することによって、消毒剤として利用できる(表2)。ただし、消石灰の種類によっては、pH値が上昇せずに、不活化効果が低下するため、散布前にpH試験紙でpH12.3以上の確認が必要である。
成果の活用面・留意点
  1. 消石灰上澄み液は、ポリバケツ等に所定量の消石灰を入れ、水道水で200倍に希釈・攪拌し、1日以上放置後にpH12.3以上を確認してから使用する。
  2. 飼育中の病原拡散防止には、作業動線等にじょうろで1リットル/m2を散布する。
  3. ホルマリン消毒のできない場所(玄関、車庫等)の病原を消毒できる。
具体的データ
図表
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予算区分国補(新技術)
研究期間1999~1999
発行年度1999
収録データベース研究成果情報

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