稲作経営目的の重要度と目的別生産費総額の試算

稲作経営目的の重要度と目的別生産費総額の試算

タイトル稲作経営目的の重要度と目的別生産費総額の試算
要約AHPにより計測した農家の稲作目的別の重要度は、先祖から受け継いだ水田の「財産保全」が0.310、米の販売による「所得確保」が0.265、自分で栽培した米を食べ地域や家族の食糧とする「生きがい」が0.217、水田の荒廃防止や景観保全など「国土環境保全」が0.208となる。さらにこの目的に応じた米生産費総額に相当する額も試算した。
担当機関三重県科学技術振興センター 農業技術センター 経営部
連絡先05984-2-6356
区分(部会名)関東東海農業
専門経営
研究対象水稲
分類行政
背景・ねらい農家は生産販売所得など経済的な利潤最大化を必ずしも目指すものではなく、土地の継承などを含む伝統的家族経営、集落などの構造的・歴史的問題などを包含した複雑な意志決定を行っていると考えられる。このため農家意向調査から稲作目的に関する重要度を計測し、併せてこの重要度と米の生産費調査資料から、兼業の深化が著しい三重県農家の稲作目的別の生産費総額の試算を行う。
成果の内容・特徴
  1. 稲作目的は農家や地域農業改良普及センター職員などの聞き取り調査から4つの要因を抽出し、これを基にAHPの計算法を用いて計量した。この稲作目的の第1は、米の生産販売による「所得確保」、第2に先祖から受け継いだ水田の「財産保全」、第3に自分で栽培した米を食べ地域や家族の食糧として米を作る「 生きがい」、第4に水田の荒廃防止、水田景観などを含む「国土環境保全」である。
  2. 分析の結果、最も重要度が高くなったのは財産保全の0.310であるが、「所得確保」が0.265、「生きがい」が0.217、「国土環境保全」が0.208となり、平均値でみた稲作目的間の重要度の差は比較的小さい(図1)。
  3. 統計資料に基づく米生産費調査による全算入生産費に三重県の水稲作付面積を乗じて得た約688億円は、三重県全体の稲作生産費総額におおむね相当すると考えられる。この生産費総額を基に重要度平均値に応じた三重県全体の稲作経営目的別の生産費総額を試算すると、「財産保全」に213億円、「所得確保」に183億円、「生きがい」に149億円、「国土環境保全」に143億円となる(図1)。また農家の稲作経営面積で重み付けし、経営規模による重要度の差異を勘案した生産費総額を試算すると「所得確保」が233億円、「財産保全」が222億円、「生きがい」が126億円、「国土環境保全」が107億円となる(図2)。
  4. 稲作経営では国土環境保全や社会貢献を通じた生きがいなどの目的が農家の中にかなりあると同時に、これら目的に対し相当の経費を実際に支出していると捉え評価することもできる。
成果の活用面・留意点三重県の農家を対象としたランダムサンプリングに基づく分析結果である。また、担い手農家のサンプル数はかなり少ないことから、この重要度は別途計測する必要がある。
具体的データ
図表
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予算区分県単
研究期間1999~1999
発行年度1999
収録データベース研究成果情報

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