かき「前川次郎」のビニルハウス利用または不織布被覆による成熟抑制

かき「前川次郎」のビニルハウス利用または不織布被覆による成熟抑制

タイトルかき「前川次郎」のビニルハウス利用または不織布被覆による成熟抑制
要約かき「前川次郎」の着色開始期からビニルハウスまたは不織布で樹体を被覆し、保温することにより、成熟が抑制され、出荷期を遅らせることができる。
担当機関三重県科学技術振興センター 農業技術センター 園芸グループ
静岡県柑橘試験場 落葉果樹分場
区分(部会名)関東東海農業
区分(部会名)果樹
専門栽培
研究対象果樹類
分類普及
背景・ねらいかき生産においては、収穫最盛期に出荷が集中するため、価格の低迷を引き起こすとともに、収穫労力が不足し問題になっており、収穫期間の拡大が課題である。一方、年末需要期は通常の露地栽培の出荷期に比べ価格が高いが、過熟による軟化が問題となっている。そこで、甘がき主要品種の「前川次郎」を供試してビニルハウスと不織布の利用による保温管理で成熟を抑制し、労力の分散と有利販売による経営の安定を図るための技術を開発する。
成果の内容・特徴
  1. ビニルハウスによる成熟抑制
    着色開始期(満開後100~120日)からハウス天井部およびサイドをビニルで被覆し、サイドを30℃以上で解放し25℃以下で閉鎖することにより保温する(この方法を以下「保温」と記す)か、もしくはハウス天井部のみを被覆する(この方法を以下「屋根かけ」と記す)。
    • 保温及び屋根かけにより露地と比較して着色の進行が10~20日間程度抑制され、その効果は屋根かけより保温の方が大きい(図1)。
    • 屋根掛栽培の出荷限界に当たる12月6日の果実軟化率は保温により著しく減少し、屋根かけでも明らかに露地より少なくなる(図2)。
    • 収穫時における糖度、果実肥大については処理間に差はない(データ掲載せず)。
  2. 不織布による簡易な成熟抑制
    着色開始期(満開後100~120日)から果実、葉を含めた枝を不織布(光透過率60~70%)で被覆する。なお、不織布の被覆により晴天時の日中気温は、露地より2~4℃上昇する。
    • 被覆により慣行栽培に比べ着色の進行(図3)や、果肉硬度の低下(データ掲載せず)が抑制されるとともに、果実の軟化が減少し(図4)、収穫日を7~14日遅らせることができる。
    • 被覆により果実肥大が促進されるが、糖度への影響はない(データ掲載せず)。
成果の活用面・留意点
  1. 天井およびサイドをビニルで被覆すれば、高単価が得られる年末需要期の出荷が可能になり、不織布による簡易な被覆で収穫労力が分散できる。
  2. ビニルハウスを利用して保温する場合、35℃以上の高温になると果実肥大が著しく抑制される可能性が高い。
  3. 不織布による処理の場合、一カ所あたりの被覆規模を大きくした方が、被覆および除去時の作業効率は良い。
  4. 不織布は光透過率60~70%のものを用いたが、同等の光透過率と保温効果があれば白色寒冷紗なども使用できる。
具体的データ
図表
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予算区分国補(農林水産新技術実用化型)
研究期間2000~2000
発行年度2000
収録データベース研究成果情報

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