小麦由来の食品工場副産物利用による高品質豚肉の生産

小麦由来の食品工場副産物利用による高品質豚肉の生産

タイトル小麦由来の食品工場副産物利用による高品質豚肉の生産
要約給与飼料の半量を乾燥粉砕した食品工場副産物(中華まん、カステラ)で代替して肥育前期(40kg)から肉豚に給与すると、皮下内層脂肪のリノール酸含量は少なく脂肪のしまりが良くなり、かつ、ロース芯の脂肪含量が多い豚肉を生産できる。
キーワード肥育豚、食品工場副産物、ロース芯の脂肪含量、リノール酸
担当機関三重科技セ 畜産研究部 中小家畜グループ
連絡先0598-42-2207 / degucy02@pref.mie.jp / degucy02@pref.mie.jp
区分(部会名)関東東海北陸農業
分類技術、普及
背景・ねらい食品リサイクル法の施行に伴い、従来、廃棄されていた食品類は、飼料や堆肥への再生利用が進められようとしている。一方、輸入豚肉が増加している養豚業界では、更なるコスト低減を図るために、食品循環資源をいかに活用するかが当面の課題となっている。そこで、県内にある食品メーカーから排出される小麦を主成分とする「中華まん」と「カステラ」の規格外品を、配合飼料と混合して肥育豚に給与し、肉豚の発育と肉質に及ぼす影響を明らかにして、食品循環資源の飼料化に資する。
成果の内容・特徴試験飼料は表1の配合割合で調製した。肥育前期用飼料は、乾燥粉砕した「中華まん」と「カステラ」の規格外品(以下「バイプロ原料」)と市販配合飼料に、蛋白質給源として納豆とコーンジャームミールを加え、肥育後期用飼料はバイプロ原料と配合飼料とフスマを5:3:2の割合で混合した試験飼料(以下「バイプロ飼料」)を調製し、肥育豚(LW・D交雑種)に不断給餌した。(バイプロ原料一般成分値:粗蛋白質15.6% 粗脂肪7.5% 粗繊維0.6% 粗灰分2.9% 可溶無窒素物73.4%)
1.
発育成績(出荷までの日数、日増体重、飼料摂取量、飼料要求率)は、配合飼料だけで飼育したものに比べて試験区間に差はなく、バイプロ飼料給与の影響はみられない。
2.
枝肉成績は表2のとおりで、枝肉歩留と背脂肪の厚さにバイプロ飼料の影響がみられない。しかし、第10~11胸椎間で切断したロース芯(背最長筋)の表面を色彩色差計で測定すると、L値(明るさ)はバイプロ飼料給与区で高くなり(表2)、赤身の薄い霜降り状のロース芯が多くなる傾向が見られた。
3.
さらに、ロース芯の一般成分を分析すると、図1のとおりバイプロ飼料を給与したロース芯の脂肪含量は多く水分含量が少ない。
4.
背最長筋を用いた保水力、伸展率、加熱損失、ドリップ量による肉質検査では、バイプロ飼料給与の影響はみられない。
5.
皮下内層脂肪の脂肪酸組成は、バイプロ飼料を給与するとリノール酸(C=18:2)含量が減少するが、オレイン酸、パルミチン酸は増加する傾向がみられる(図2)。また、リノール酸を含む多価不飽和脂肪酸含量もバイプロ飼料を給与すると少なくなる。
成果の活用面・留意点1.
肥育後期において、給与飼料の半量を小麦由来バイプロ原料に代替利用しても発育と肉質に大きな影響はない。しかし、肥育前期から利用するには、厚脂の発生に留意する必要がある。
2.
食品工場から排出される食品循環資源を配合飼料と混合利用するには加熱等によって水分含量を低下させる必要があり、生産コストの低減が普及上不可欠である。
具体的データ
図表
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予算区分県単
研究期間2001~2004
研究担当者出口裕二、市川隆久
発行年度2002
収録データベース研究成果情報

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