蒸気消毒と散水の併用により地下30cmまで病原糸状菌が殺菌可能

蒸気消毒と散水の併用により地下30cmまで病原糸状菌が殺菌可能

タイトル蒸気消毒と散水の併用により地下30cmまで病原糸状菌が殺菌可能
要約施設内地床の土壌消毒で、蒸気消毒後に1m2当たり50L(毎分約0.5L)の散水を行うことで、地下深くまで効率的に地温を上げることができ、トルコギキョウ茎腐病菌Fusarium avenaceum、白絹病菌Sclerotium rolfsiiおよび菌核病菌Sclerotinia sclerotiorumに対しては臭化メチルと同等の殺菌効果がある。
キーワード土壌消毒、蒸気消毒、散水、土壌病害、殺菌
担当機関園芸部
静岡県農業試験場 病害虫部
連絡先0538-36-1557 / masayuki1_togawa@hq.pref.shizuoka.jp / masayuki1_togawa@hq.pref.shizuoka.jp
区分(部会名)関東東海北陸農業
分類技術、普及
背景・ねらい土壌消毒剤の臭化メチル代替技術の開発が期待されているが、従来の蒸気消毒に散水を組み合わせた方法(以下、「散水蒸気消毒」)で、地中深くまで効率的に地温を上昇させ、殺菌効果の高い消毒法を開発する。
成果の内容・特徴1.
方法
(1)
散水蒸気消毒を行うには、中央部に蒸気吐出用のホース(ナイロンポリエチレン耐熱性フィルム製)を設置し、その両側に散水チューブ(耐熱性のものを使用する)を25cm程度の間隔をあけ設置する。うねを塩ビフィルムで覆い、蒸気が漏れないようにチェーンや水枕で確実に押さえをする(図1)。
(2)
地温が25℃程度の時、約50m2のうねを蒸気消毒する場合には、蒸発量700Kg/hの蒸気消毒機で約3時間蒸気を送り、その後散水する。
(3)
散水は1m2当たり50L行い、流速は毎分0.5L/分を目安とする。
2.
技術の特徴
(1)
蒸気消毒で熱せられた上層部の土壌中を散水が通過することにより、熱せられた水が深層部へ移行するため、深層部の温度が蒸気消毒のみより高温となる(表1)。
(2)
散水蒸気消毒が、トルコギキョウ茎腐病菌Fusarium avenaceum、白絹病菌Sclerotium rolfsiiおよび菌核病菌Sclerotinia sclerotiorumに及ぼす殺菌効果は臭化メチル剤と同等である(表2)。
成果の活用面・留意点1.
地下30cmを越える深さでは土壌伝染性病原菌が死滅する程度の温度上昇は期待できない。このため、青枯病菌のように地中深くに生存する病原菌に対しては殺菌効果が期待できない(表3)。
2.
土壌空隙を増やすため、消毒前のほ場の耕耘は必ず行う。また、うねを立ててから蒸気消毒を行う方が、土中に熱が効率的に伝わる。
3.
多量の水を一挙に散水することは、土壌上層部の急激な温度低下を招くので避ける。
4.
散水蒸気消毒は、蒸気漏れがなければ作付け中のうねの部分消毒も可能であり、処理終了2日後に定植できる。
5.
散水蒸気消毒は、従来の蒸気消毒のように、土中に蒸気管を埋める必要がない。
6.
地温の高い夏期に消毒を行った方が効果が高い。
具体的データ
図表
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予算区分県単
研究期間2001~2002
研究担当者外側正之、佐藤展之、鈴木幹彦、川瀬範毅、本間義之
発行年度2002
収録データベース研究成果情報

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