低蛋白質高繊維飼料による豚舎臭気の軽減

低蛋白質高繊維飼料による豚舎臭気の軽減

タイトル低蛋白質高繊維飼料による豚舎臭気の軽減
要約豚舎から発生するアンモニアと低級脂肪酸を低減する飼料の開発を行った。低級脂肪酸臭は飼料の低蛋白質化、高繊維質化で増加傾向にある。飼料栄養面から豚舎臭気を総合的に低減するためには、肥育豚のCP水準を13~11%に、CF水準を4~5%に調整することが効果がある。
キーワード豚舎・臭気軽減・低蛋白質高繊維質飼料
担当機関神奈川畜研 企画経営部 企画調整グループ
連絡先046-238-4056 / umemoto.druw@pref.kanagawa.jp / umemoto.druw@pref.kanagawa.jp
区分(部会名)関東東海北陸農業
分類技術、参考
背景・ねらい飼料の低蛋白質化により豚舎から発生するアンモニアは約1/10に低減できるが、低蛋白質化に伴い添加する単体アミノ酸の種類や量が増加し経済的でなかったり、総蛋白質量が減少すると、必須アミノ酸量が満たされても発育や肉質に問題があることも知られている。また、余剰の蛋白質は尿中に排泄されアンモニア揮散の源となっている。一方飼料中の粗繊維質含量を増加すると未消化のまま腸管に達し腸内細菌がエネルギー源として利用し、尿素サイクルによって合成された尿素は血管内から一部腸管に排泄され、この窒素成分は、腸内細菌が菌体蛋白質合成に利用することで、尿中への排泄窒素量の削減が期待される。そこで飼料の低蛋白質化と粗繊維質含量の増加により豚舎から環境に揮散するアンモニアや臭気の低減効果を検討する。
成果の内容・特徴人工気象室内で肥育豚4頭を一部スノコ式豚房に群飼育し、CP水準を8.2%から15.9%、CF水準を3.6%から8.1%までに変化させた12種類の飼料を不断給与した。温度は20℃から32℃の日内変動を伴う夏条件で行い、管理は一般的な豚舎管理に準じ、一日一回除ふん清掃し、室内のアンモニア濃度は紫外線または赤外線吸収型アンモニア分析計により連続測定し1日の平均濃度を算出した。低級脂肪酸臭気は一日一回定時採取し、ガスクロマトグラフ法により法規制対象臭気を分析しその合計で比較した。
1.
市販肥育用の標準飼料(CP15.9%、CF3.9%)では室内のアンモニア濃度は24ppmと最も高く、1時間当たり108m3換気量 から、1日1頭当たり11.8gのアンモニア揮散があったと推定された。(図1)CP水準を8.2%まで低減し、CF水準を6%に高めると、豚舎内の一日平均アンモニア濃度は0.3ppmで、1日1頭当たり0.15gの揮散量となり約80分の1に低減出来た。
2.
飼料CP水準低減に伴い畜舎汚水のpHは下がり、汚水の酸性化でアンモニアの発生は抑制された。(図2)
3.
豚舎臭気の内悪臭防止法で規制されている低級脂肪酸の合計濃度は、高蛋白質飼料給与により減少し、低蛋白質高繊維質飼料ほど高くなる傾向が見られた。(図3)
成果の活用面・留意点1.
肥育後期豚ではCP11%程度の低蛋白質化が可能で、これに伴い不足する必須アミノ酸の添加が必要である。
2.
CF含量を多くすると排泄ふん量および低級脂肪酸臭の増加を考慮する必要がある。
具体的データ
図表
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予算区分国庫助成
研究期間1996~2004
研究担当者折原惟子、梅本栄一
発表論文梅本ら(2002)第57回関東畜産学会大会講演要旨:23-26.
発行年度2002
収録データベース研究成果情報

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