核酸関連物質含量を用いた豚肉の保存温度履歴の評価

核酸関連物質含量を用いた豚肉の保存温度履歴の評価

タイトル核酸関連物質含量を用いた豚肉の保存温度履歴の評価
要約豚胸最長筋を 1℃、4℃および 6℃に保存したときの核酸関連物質含量を調査し、保存日数と修正K値(mK値)の回帰式を作成した。次に、作成した回帰式により別の豚肉のmK値から保存日数を推定すると二次回帰式を用いたときの予測精度が高かった。
キーワード豚肉、核酸関連物質、保存、IMP、mK値、温度、履歴
担当機関静岡県中小畜試 養豚研究スタッフ
連絡先0537-35-2291 / horiuchi@sp-exp.pref.shizuoka.jp / horiuchi@sp-exp.pref.shizuoka.jp
区分(部会名)関東東海北陸農業
分類科学、参考
背景・ねらい原産地の偽装表示や偽黒豚の流通などから農畜産物に対する消費者の信頼は失われており、この様な状況を反映して消費者の豚肉購入の目安が鮮度に重点が置かれている。
一方、冷蔵輸入肉は衛生的なと殺解体処理や真空包装と低温保存を併用した長期保存法の実用化により増加している。このため、と殺後の経過時間、保存条件が大きく異なった豚肉が流通しており、同一の豚肉でも消費者の評価が異なる可能性がある。そこで、鮮度や履歴に関する客観的情報を消費者に提供するため、温度履歴の評価法を検討する。
成果の内容・特徴1.
WL・D 9頭、LW・D 2頭の胸最長筋(校正試料)を用いて、家庭用冷蔵庫のチルド室( 1℃区)と冷蔵室(6℃区)および良好な冷蔵温度(4℃区)で保存したときのイノシン酸(IMP)、イノシン(HxR)、ヒポキサンチン(Hx)含量を調査し、修正K値(mK値=(HxR+Hx)/(IMP+HxR+Hx)×100)と保存日数による回帰式を作成した。次に、市販のLW・D 4頭の胸最長筋(検証試料)を同様に保存し、作成した回帰式の有効性を検討した。
2.
保存期間中のIMP含量は保存温度が高く保存日数が長くなるに従って減少し、HxRおよびHx含量は保存温度が高いほど保存日数が長いほど増加割合が大きかった(図1,2)。
3.
校正試料の1℃区、4℃区、6℃区における保存日数とmK値の関係を次数の異なる回帰モデル(1~3次)を当てはめたとき、曲線回帰モデルで誤差が小さかった。
4.
作成した回帰式を用いて別の豚肉のmK値から保存日数を推定すると、予測値と実際の保存日数に相関が認められたが(P<0.001)、各保存温度区とも二次回帰式(式1~式3)の推定誤差が小さく予測精度が高かった(表1)。
y(d)=1.215-0.138mk+0.007mk2(1℃区)・・・・式1
y(d)=0.150-0.025mk+0.004mk2(4℃区)・・・・式2
y(d)=-0.031+0.008mk+0.003mk2  (6℃区)・・・・式3
5.
保存温度ごとに求めた二次回帰式を用いることにより、mK値から保存日数を推定することが可能であり、保存日数が分かっていればmK値と式1~3による予測日数との関係から保存温度を推定でき、核酸関連物質含量の測定は豚肉の流通過程における履歴解明の手段として有効であると思われた。
成果の活用面・留意点本研究で作成した回帰式は胸最長筋を用いて作成したものであり、胸最長筋以外に適用する場合は筋肉別の回帰式を作成する必要がある。
具体的データ
図表
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予算区分県単
研究期間1999~2001
研究担当者河原崎達雄、赤松裕久、知久幹夫、堀内篤
発表論文1)堀内ら(2002)日豚会誌39巻3号、200-208
2)堀内ら(2001)静岡県中小家畜試研報12号、1-5
発行年度2002
収録データベース研究成果情報

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