ミヤコカブリダニ製剤を用いたイチゴのハダニ類防除

ミヤコカブリダニ製剤を用いたイチゴのハダニ類防除

タイトルミヤコカブリダニ製剤を用いたイチゴのハダニ類防除
要約イチゴのハダニ類防除にミヤコカブリダニを用いると、ハダニ類の発生前から放飼が可能で定着性も高い。気温が高い夏秋栽培では、初期の放飼で栽培期間中のハダニ類密度を抑制できる。冬春栽培では、低温条件で活性の高いチリカブリダニ製剤と併用可能である。
キーワードイチゴ、天敵、生物農薬、防除、ハダニ類、ミヤコカブリダニ、チリカブリダニ
担当機関長野南信試 病害虫土壌肥料部
連絡先0265-35-2240
区分(部会名)関東東海北陸農業
分類技術、普及
背景・ねらい近年、イチゴ栽培において、授粉昆虫利用における殺虫剤の制限や環境保全を志向して天敵利用に取り組む栽培者が増加している。主要害虫であるハダニ類防除にはチリカブリダニ製剤が1995年に生物農薬として登録された。しかし本種は餌となるハダニ類が少ないと定着性が低く、また定着後もハダニ類の食い尽くしにより絶滅する場合もあるなど、不安定要因があり広く一般農家への普及が進んでいない。一方、2003年に登録されたミヤコカブリダニ製剤はハダニ類の他に花粉などを餌にできるため、ハダニ類発生前の放飼が可能であり、天敵利用を特別な技術でなくすことのできる可能性がある。そこで、ミヤコカブリダニ製剤のイチゴ栽培におけるハダニ類防除効果を検討した。

成果の内容・特徴1.
夏秋イチゴ試験は2004年と2005年の結果は概ね同様で、7月に入ってハダニ類密度が増加したが、それに伴いカブリダニも増加した。ハダニ類密度の高い期間は約3週間で終息し、以後は低密度で推移した。ハダニ類の確認されない場合でもカブリダニが多く生息している株が多数確認された(図1)。2005年の慣行区では管理作業に伴って移ったと推測されるミヤコカブリダニが発生したが、量は少なくハダニが多発したため殺ダニ剤を散布した。試験期間中のハダニ剤散布回数は2004年は部分散布も含め5回と前年の10回に比べ 半減し、2005年は慣行6回に対し1回と大幅に削減できた。
夏秋栽培では、高温を好むミヤコカブリダニ製剤の効果は安定していると考えられる。
2.
冬春イチゴ試験結果から、2種カブリダニを併用するとチリカブリダニが優占するが、部位によってはミヤコカブリダニが優占する場合も確認された。株上、葉上においても両種は共存し併用が可能である(図2)。

成果の活用面・留意点1.
ミヤコカブリダニ製剤は生物農薬「スパイカル」として市販されている。農薬登録は野菜類(施設)でのハダニ類対象である。
2.
ミヤコカブリダニは日本にも生息する天敵であり、環境に対する影響、農薬残留、人畜に対する毒性、また薬剤抵抗性発達の恐れは低いと考えられる。
3.
ハダニ類の密度が高まってからの放飼では十分な効果が得られないので、発生初期か前に放飼する。また、冬期間の低温期には抑制効果が低下し、ハダニ類密度が上昇する場合があるので、その際にはチリカブリダニ製剤を併用する。
4.
化学合成農薬はミヤコカブリダニの活動に影響を与える場合があるので、使用にあたっては、技術者の指導を受けるなど十分に注意する。
具体的データ
図1
図2
予算区分県単特別プロ
研究期間2004~2006
研究担当者桑澤久仁厚、江口直樹、山岸菜穂、原廣美
発行年度2005
収録データベース研究成果情報

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