基白、背白粒発生軽減のための幼穂形成期以降の適正葉色推移

基白、背白粒発生軽減のための幼穂形成期以降の適正葉色推移

タイトル基白、背白粒発生軽減のための幼穂形成期以降の適正葉色推移
要約北陸地域の砂質浅耕土地帯のコシヒカリでは出穂前の極端な葉色の低下は登熟期間の葉色の凋落につながる。基白、背白粒の発生比率は出穂前からの葉色との相関が高く、基白、背白粒発生軽減のための適正葉色値はSPAD値で出穂期が33~34、出穂後20日目が30程度である。この葉色値に誘導するためには1回目穂肥を確実にN1.5kg/10a施用する。
キーワード気候温暖化、基白粒、背白粒、穂肥、精米蛋白含有率、葉色、コシヒカリ
担当機関富山農技セ 農業試験場 機械営農課
連絡先076-429-5280
区分(部会名)関東東海北陸農業
分類技術、参考
背景・ねらい富山県においては平成12年以降、コシヒカリで基白、背白粒等の白未熟粒が多発し玄米品質が低下している。これらの白未熟粒の直接的な発生要因は出穂後の異常高温で、その対策として田植え時期の繰り下げを推進している。しかし、大規模経営体等では適期の田植えだけでは対応が困難で、やむを得ず早植えを行っているのが現状である。
一方、登熟期間の栄養凋落も発生を助長しているものと考えられる。そこで、早植栽培において基白、背白粒発生程度からみた幼穂形成期以降の適正な葉色を示すとともに、適正葉色に誘導し、基白、背白粒の発生を軽減するための施肥技術を明らかにする。

成果の内容・特徴1.
穂肥施用時期が遅れ、出穂前にSPAD値で28以下と極端に葉色値が低くなると、登熟盛期以降の葉色値が早期に低下する(図1)。基白、背白粒発生比率は登熟期間の葉色と相関が高いので、この時期の葉色凋落は品質低下につながる(図2)。
2.
年次間で変動があるものの、基白、背白粒発生比率が低下する葉色を出穂前後で求めたところ(図3)、適正葉色値は出穂期がSPAD値で33~34程度、出穂後20日目が30程度である(図2)。また、この値は精米蛋白含有率を5.5%以下とする葉色からみても妥当である。
3.
1回目穂肥施用時の適正な葉色値は31~32で、1回目穂肥をN1.5kg/10a確実に施用することにより適正な葉色に誘導できる。しかし、1回目の穂肥を施用しないと葉色が極端に低下し、登熟期間の葉色も低く推移する。一方、2回目穂肥を多く施用すると出穂期以降の葉色が高く推移する(図2)。
4.
その結果、1回目穂肥を施用しないと、基白、背白粒の発生が多くなるが、1回目穂肥を確実にN1.5kg/10a施用することにより、基白、背白粒の発生を6~12ポイント軽減することができる(図4)。一方、2回目穂肥を多く施用しても、基白、背白粒の発生軽減程度は2~3ポイントにとどまる

成果の活用面・留意点1.
北陸地域の砂質浅耕土地帯のコシヒカリにおいて、やむを得ずゴールデンウイークころの早い田植えが必要な大規模経営体等で基白、背白粒の発生軽減に活用できる。
2.
1回目および2回目穂肥の多施用は精米蛋白含有率を高めるので、施用量は慣行の範囲にとどめる。
3.
幼穂形成期の葉色はフジカラースケールで3.7(SPAD値で33)程度を目標とし、1回目穂肥を確実に施用できる稲体に誘導する。
具体的データ
図1
図3
図2
図4
予算区分委託プロ(気候温暖化)
研究期間2003~2005
研究担当者高橋渉、野村幹雄(高岡農普指セ)、守田和弘、金田宏、吉田稔、荒井清完
発行年度2005
収録データベース研究成果情報

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