切り花キクの萎れや導管閉塞に関与する細菌の同定と萎れを抑制するファージの利用技術

切り花キクの萎れや導管閉塞に関与する細菌の同定と萎れを抑制するファージの利用技術

タイトル切り花キクの萎れや導管閉塞に関与する細菌の同定と萎れを抑制するファージの利用技術
要約切り花キクの萎れや導管閉塞には数種類の細菌が関与しておりPantoea dispersa菌の影響が大きい。キク圃場から分離したこの菌に溶菌作用を示すファージを前処理剤的に高濃度で浸漬処理すると、萎れと切り花重の低下を抑制する。
キーワード切り花、キク、導管閉塞、ファージ
担当機関福井農試 生産環境部 病理昆虫研究グループ
連絡先0776-54-5100
区分(部会名)関東東海北陸農業
分類研究、参考
背景・ねらい切り花の有利販売には日持ちの優れたものの出荷が重要で、日持ちの向上のために多くの品質保持剤が使用されている。しかし、市販されている品質保持剤は金属塩や殺菌剤等が含まれているため、環境にやさしい品質保持剤の開発が望まれている。切り花の萎れの主因は導管内で増殖した細菌による吸水不良と考えられている。そこで導管閉塞を引き起こす細菌の同定とファージを用いた萎れ抑制効果について検討する。

成果の内容・特徴1.
萎れた切り花キクの茎基部からはPantoea属菌、Enterobacter属菌、Klebsiella属菌などいわゆる汚水菌が多く分離される(表1)。
2.
萎れた切り花キクの茎基部から多く分離されるEnterobacter属菌とPantoea属菌の中では、Pantoea dispersa菌により短期間に萎れが引き起こされる(表2)。
3.
切り花キクに Pantoea dispersa菌を溶菌するファージ(キク栽培圃場から分離)の調製液(107pfu/ml以上)を前処理剤的に浸漬処理すると萎れは抑制される(表3、図3)。
4.
ファージ液処理により切り花キクの吸水量の低下が抑制され、また、切り花重の低下も抑制される(表4、図2)。
5.
このファージは電顕観察から繊維状ファージと考えられる(図1)。

成果の活用面・留意点1.
ファージを生け水に混入するだけでは抑制効果はない。
2.
調製したファージ液は4℃の冷蔵庫内で少なくとも2か月間は活性を失うことはない。

具体的データ
表1 萎れたキク茎基部からの分離菌
図1 ファージ電顕写真
表2 分離細菌が切り花キクの萎れに及ぼす影響
表4 ファージ処理が吸水量に及ぼす影響
表3 ファージ処理が切り花キクの萎れに及ぼす影響
図3 萎れ程度の差(処理13日後)
図2 ファージ液浸漬処理が切り花重に及ぼす影響
予算区分国補(地域科学技術振興研究事業)
研究期間2004~2006
研究担当者古河 衞
発行年度2006
収録データベース研究成果情報

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