マルチプレックスPCR法による国内主要イチゴ品種識別法

マルチプレックスPCR法による国内主要イチゴ品種識別法

タイトルマルチプレックスPCR法による国内主要イチゴ品種識別法
要約国内主要イチゴ25品種・系統を最大3回のマルチプレックスPCRによって識別することができる。特に主要品種の‘とちおとめ’および‘あまおう(福岡S6号)’を含む9品種に対しては1回のPCRで識別できる。
キーワードイチゴ、品種識別、DNAマーカー、マルチプレックスPCR
担当機関栃木農試 生物工学部 遺伝子工学研究室
連絡先028-665-7070
区分(部会名)関東東海北陸農業
分類技術、普及
背景・ねらい栃木県では、‘とちおとめ’に代表される県育成イチゴ品種の育成者権保護を目的として、すでにRAPD-STS化マーカーによるイチゴ品種識別技術方法を開発している。しかし、多サンプルの処理および流通過程での迅速な検査に対応するためには、検出操作の更なる簡易化および効率化が必要である。そこで、複数DNAマーカーを同時に検出できるマルチプレックスPCR法を用いた識別技術方法を開発する。

成果の内容・特徴1.
本イチゴ識別技術は、PCRのみで識別を行うものであり、CAPS法と比べ制限酵素反応に要するコストおよび時間が不要である。さらにマルチプレックス化したことにより、簡易に行えることが特徴である。識別には、RAPD-STS化マーカー9個およびAFLP-STS化マーカー1個の計10個のマーカーの多型を利用する(図1)。
2.
識別可能なイチゴ品種は、国内主要8品種(‘とちおとめ’、‘さちのか’、‘さがほのか’、‘とよのか’、‘あまおう’、‘章姫’、‘女峰’、‘紅ほっぺ’、国内作付面積約93%)を含む25品種・系統である(表1)。
3.
10種類のプライマーをマルチプレックス用プライマーとして3セット{セット1(プライマー1~3)、セット2(プライマー4~7)、セット3(プライマー8~10)}に集約してあり、最大3回のPCRでイチゴ25品種・系統が識別可能である(図1、表1)。
4.
識別対象品種に応じて使用するプライマーセットを選ぶことで、最少回数でのPCRで識別を完了することができる(表2)。特に、‘とちおとめ’、‘とちひめ’、‘栃の峰’、‘苺香(メイヒャン:韓国育成品種)’はセット1で、‘あまおう’、‘さがほのか’、‘アスカルビー’、‘宝交早生’はセット2で、‘サンチーゴ’はセット3ののみで識別可能である(表2)。

成果の活用面・留意点1.
本プライマーセットは、25品種・系統内でのみ識別が可能である。他品種に適用する場合は、本プライマーセットのバンドパターンを25品種・系統間と比較することが必要である。同一のパターンを示した場合、新規マーカーの開発が必要である。
2.
品種によっては、全くバンドがでないマーカーも用いられているので、ポジティブコントロールを加える必要がある。
3.
本技術は、「イチゴ品種のDNA配列差異を利用したマルチプレックスPCRに基づく識別方法」として特許出願中であるため、使用するには本県の許諾が必要である。

具体的データ
図1 イチゴ25品種に対するマルチプレックスPCR用プライマーセット1~3による電気泳動結果
表1 イチゴ25品種に対するマルチプレックスPCR用プライマーセット1~3によるバンドの有無
表2 識別可能なイチゴ品種のマルチプレックスPCR用プライマーセットの組み合せ
予算区分県単
研究期間2005~2005
研究担当者田﨑公久、柏谷祐樹、天谷正行
発行年度2006
収録データベース研究成果情報

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