「夢あおば」は不耕起湛水直播で省力的に栽培できる

「夢あおば」は不耕起湛水直播で省力的に栽培できる

タイトル「夢あおば」は不耕起湛水直播で省力的に栽培できる
要約「夢あおば」を用いると、耕起、代かき及び催芽、酸素発生剤粉衣の工程を省略した湛水直播で散播することにより倒伏せずに栽培することが可能である。その際、播種量12kg/10a、基肥量7kg/10aとすることにより、耕起、代かき栽培を行う現地農家の直播の慣行栽培と同等の収量が得られる。
キーワード飼料イネ、不耕起、湛水直播、不催芽、夢あおば
担当機関(独)農業・食品産業技術総合研究機構 中央農業総合研究センター 北陸大規模水田作研究チーム
連絡先025-523-4131
区分(部会名)共通基盤
区分(部会名)関東東海北陸農業
分類技術、参考
背景・ねらい飼料イネ栽培では、食用水稲栽培との作業競合を緩和するため、できるだけ省力的であることが望まれている。2004年に北陸研究センターで育成された「夢あおば」は、苗立ちが良く、耐倒伏性に優れているという特性を持つ。そこで、移植と比べて省力的な湛水直播栽培法を、さらに省力的にするために、圃場準備作業と種子準備作業の工程を可能な限り省略した散播での栽培について「夢あおば」を用いて検討する。その際、苗立ちや収量の低下が想定されるので、適切な播種量や施肥量について明らかにする。

成果の内容・特徴1.
従来の湛水直播栽培における作業のうち、圃場準備作業から耕起、代かきの工程と、種子準備作業から浸種、催芽、酸素発生剤粉衣の工程を省略した栽培を行う(図1)。播種法は湛水状態での散播である。
2.
苗立ち数は、播種量が多くなると増加するが、催芽種子では10a当たり10kg以上で現地農家の直播の慣行(以下農家慣行)と同等の苗立ち数を確保できる。不催芽種子では苗立ち数が20~35%少なくなる(図2)。
3.
黄熟期の乾物収量は、不催芽種子では10a当たり10kgの播種量でもやや低くなることがあり、10a当たり12kg以上で農家慣行より高くなる。催芽種子では10a当たり8kgの播種量でとほぼ同等になる。(図3)。
4.
基肥量に応じて収量は増加する傾向があるが、不催芽、催芽ともに基肥窒素量で10a当たり6kg以上施用すると農家慣行と同等以上の収量を確保できる(図4)。
5.
以上より、「夢あおば」を用いる不耕起湛水直播栽培では、不催芽種子を用いると10a 当たり12kgの播種量で、基肥を窒素で10a当たり7kg施用すると、農家慣行のと同等以上の収量を得ることができる。

成果の活用面・留意点1.
従来法より省力的な「夢あおば」の湛水直播栽培技術として利用できる。
2.
本試験は、低湿重粘土水田の同一圃場で3年間の不耕起栽培を行い、湛水状態で播種から出芽・苗立ちまで管理した。追肥量は3kgN/10aを施用した。不催芽は、乾籾状態で播種し、出穂日が催芽種子に比べて1日程度遅くなった。試験期間を通じて倒伏はみられなかった。また、収穫時の土壌貫入抵抗(地下0~15cm)は0.43~0.60MPaとなった。
3.
飼料イネとして稲わらを圃場から全量持ち出すことを前提としている。
4.
栽培された飼料イネのTDNは56~62%の範囲であった。

具体的データ
図1 従来の湛水直播栽培法と省力的な湛水直播栽培法の対比
図2 播種量の違いによる苗立ち数への影響
図3 播種量の違いによる黄熟期乾物収量への影響
図4 基肥量の違いによる黄熟期乾物収量への影響
予算区分北陸大麦飼料用稲輪作
研究期間2004~2006
研究担当者元林浩太、小島誠、湯川智行、米村健
発表論文湯川ら(2006) 北陸作物学会報 41:60-63
発行年度2006
収録データベース研究成果情報

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