泌乳前期における初産牛へのTDN給与水準

泌乳前期における初産牛へのTDN給与水準

タイトル泌乳前期における初産牛へのTDN給与水準
要約初産牛(乳牛)への泌乳前期用飼料として、乾物中TDN(可消化養分総量)含量を73%または76%の異なる濃度で給与する場合、TDN73%の飼料において高い乾物摂取量が得られ、分娩後の体重回復も早く、繁殖成績にも影響なく良好な乳生産が維持できる。
キーワード初産牛、泌乳前期、TDN含量
担当機関茨城畜産セ
岐阜畜研
宮城畜試
京都畜技セ
熊本農研畜産研
埼玉農研畜産研
静岡畜技研
全酪連技研
(独)農業・食品産業技術総合研究機構 畜産草地研究所
福島農総セ畜産研
連絡先0299-43-3333
区分(部会名)関東東海北陸農業
分類技術、参考
背景・ねらい乳牛の分娩前後の飼養管理は、分娩後の産乳性や繁殖性などに影響を及ぼすことから、その重要性が認識されている。初産牛においては、体躯が成長途中でもあり、出産、泌乳を初めて経験することから、経産牛に比較し乾物摂取量が低く推移することで知られている。この時期の栄養不足を補うため、エネルギー濃度を高めた飼養法が慣例となっているが、分娩前後の栄養要求量やその後の繁殖性に与える影響などに関する研究報告は少ない。
そこで、初産牛の泌乳前期におけるTDN給与水準が、産乳や繁殖に与える影響について検討し、適正なTDN給与水準を明らかにする。

成果の内容・特徴1.
供試牛には、8府県の協定研究で飼養するホルスタイン種初妊牛60頭を用い、移行期(分娩予定3週間前~分娩)は同じ飼料を給与し、泌乳期(分娩~16週)はTDN73.5%(73%区)または76.4%(76%区)の飼料を給与する(表1)。泌乳期はチモシー乾草:アルファルファヘイキューブ:配合飼料を26:14:60の割合でTMRにした飼料を自由採食とする。飼料摂取量および乳量は毎日測定し、体重及び生乳成分は毎週測定する。
2.
泌乳期における乾物摂取量は73%区19.0kg/日、76%区18.1kg/日と73%区が高い傾向にあり、日本飼養標準・乳牛(2006年版)により推定した摂取量と比較した場合、それぞれ103%、97%である。TDN摂取量およびCP(粗蛋白質)摂取量には差が認められない(表2、図1)。平均日乳量は両区に差は見られないが、73%区において乳成分(乳蛋白質率および無脂固形分率)が高く推移する(表2)。
3.
分娩後20週までの受胎率は73%区が51.7%(15/29)、76%区で58.6%(18/29)と概ね良好であり、両区に差は見られない(表2)。分娩後の体重は、73%区の方が減少量は緩慢で回復が早い(図2)。

成果の活用面・留意点1.
初産牛の泌乳前期において、乾物摂取量(DMI)を確保することでTDN濃度を高めない飼養法として参考になる。
2.
76%区は脂肪酸カルシウムを乾物として1.5%配合したが,推定DMI(日本飼養標準・乳牛2006年版)の97%であり、おおむね標準の摂取量である。
3.
飼料給与にあたっては、正確な飼料分析および飼料計算に基づく管理と嗜好性の良い飼料の選択が必要である。

具体的データ
表1 飼料の構成と栄養濃度
表2 分娩後16週間の各成績
図1 体重当たりの乾物摂取量の推移
図2 体重/分娩後体重の推移
予算区分県単
研究期間2003~2004
研究担当者菅原徹、楠原徹(茨城畜産セ)、植田郁恵(宮城畜試)、栗原三枝(福島農総セ畜産研)、小林博史、富田道則(埼玉農研畜産研)、芹澤正文、永田浩章(静岡畜技研)、高原康実(岐阜畜研)、岡あかね(京都畜技セ)、時田康広、森和彦(熊本農研畜産研)、石田武、倉本慶子(全酪連技研)、田鎖直澄、野中最子、栗原光規、永西修、寺田文典(畜産草地研)
発行年度2007
収録データベース研究成果情報

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